どんなに暗く落ち込んでいても、雑談をしていると不思議なことに、自然と明るくなります。
特に元気づけられたわけではありません。
ただ、人とのコミュニケーションが気持ちを明るくさせるのです。
人が最も大好きなのは、やはり「人」です。
雑談は、そんな人と人とのコミュニケーションを手軽に行える、もってこいのコミュニケーションなのです。
学生のころは、いつも誰かと一緒に隣の席同士になって座ります。
よく席替えのときには「今度は隣に誰が来るのだろう」とどきどきしていました。
あのように隣に誰かと一緒に座るのには、理由があります。
隣の人と協力し合うことで勉強の効率を促すという理由もありますが、それだけではありません。
隣に誰かがいるというだけで、話し相手になってくれるからです。
1人で勉強していると、暗くなってしまいがちです。
しかし、隣の席に誰かが座って、ときどき雑談をするだけで、自然と明るく元気になっていったのを覚えていませんか。
私は、中学2年生のころ、理科のテストで思ったより悪い点をとって落ち込んでいました。
そのとき、隣の席の女の子が「大丈夫。私なんてもっと悪い点数だったよ」と気を使って話してくれたことをいまだに覚えています。
「思ったより悪い点」だったため、あのときの私は悔しさのあまり、暗く落ち込んでしまっていました。
悔し涙が半分出ていただけに、隣の人とのささいな雑談は、私を谷の底から引き上げてくれるようでした。
雑談には、明るさを生み出す効果があります。
どんなに暗い人でも、何でもない雑談をすれば、いつの間にかそれが元気づけることにもなっているのです。