あなたはスーツの手入れが、面倒だと感じますか。
もし面倒と思うなら、スーツへの愛情が、不足気味かもしれません。
スーツの手入れをするときに、最も大切なことは何か。
スーツの寿命を決める要因の1つは、スーツを買う段階にあります。
スーツは、自分の体型に合ったものを選ぶのが鉄則です。
大きすぎたり小さすぎたりすれば、見苦しかったり着にくかったりしてしまいます。
ジャケット用のハンガーで最も理想的なのは、木製ハンガーです。
木製ハンガーには「除湿効果」「防臭効果」「芳香効果」の3拍子がそろっています。
スーツの寿命を長持ちさせる条件がこれほどそろっているハンガーは、ほかにはないでしょう。
「まず道具から入る」という考え方もあります。
本来なら、スーツへの愛情が先にあって、次に、スーツの手入れに必要な道具を購入するのが一般的な順です。
もちろんこれがスムーズにできればいいのですが、なかなか思うように行かない人もいるはず。
外出中、思わぬアクシデントで、ワイシャツが汚れることがあります。
暗い色のワイシャツなら目立ちにくいのですが、明るい色のワイシャツの場合、やはり色が目立ちます。
すぐ洗濯やクリーニングに出したいところですが、外出中では難しい。
スーツを収納するクローゼットには、3つのアイテムを設置しましょう。
除湿剤・消臭剤・防虫剤です。
湿気と不快なにおいを取り除き、虫の発生を防げます。
スーツをクローゼットに収納する際は、除湿剤・消臭剤・防虫剤を設置しましょう。
掃除によってクローゼットを清潔に保つのもいいですが、完璧とは言えません。
特に湿気が多くなる季節では、掃除の力にも限界があります。
行きつけのクリーニング店に訪れたとき、すべてのサービス内容を確認してみてください。
いつもドライクリーニングかウェットクリーニングばかりで、ほかのメニューの存在に気づいていない場合があります。
クリーニングサービスのほか、ほつれの修理やボタン留めなどのサービスが提供されていませんか。
あなたがクリーニング店を選ぶとき、どのような基準ですか。
よく聞かれるパターンとしては、次の2つあります。
距離と値段です。
素材に応じて、手入れの度合いも変化させることが大切です。
素材の種類に関係なく、すべてのスーツを一定の手入れで統一させるのもいいでしょう。
しかし、一般に高級と言われる素材が使われたスーツほど、入念な手入れをしたほうが賢明です。
「少しでも立派に見られたい」
スーツを購入する際は、どう見られるかを意識しながら選ぶ場合が多いのではないでしょうか。
社会を未経験の学生でも、スーツを着れば、それなりの立派な様子に見えるから不思議です。
ジャケットを長持ちさせたければ、ワイシャツは、半袖より長袖を選びましょう。
「袖の長さが関係するのか」と思いますが、実は、関係あるのです。
多くの人が見落としがちな、盲点です。
スーツを長く着用していると、だんだん膝や肘の部分がてかってくることがあります。
原因は、圧迫です。
肘や膝は、圧迫によって繊維が押しつぶされやすい部分であるため、てかりやすくなる特徴があります。
ジャケットを長持ちさせたければ、肘をつく癖に要注意です。
ある程度スーツを着用していると、肘の部分がてかってきます。
仕事中に考え事をしているとき、肘をつくことがあるでしょう。
「さあ、今日も1日、頑張るぞ!」
そう思って着ようとするスーツが、しわだらけなら、どうでしょうか。
入る気合も入らなくなり、今日を頑張ろうとするやる気が、一気に失われるでしょう。
アイロンを使用する際に注意したいのは、硬水です。
硬水はミネラル分が含まれているため、乾燥したとき、ざらざらした白い粉が発生する場合があります。
含まれるミネラル分は微々たる量のため、ほとんど違いはわかりません。
ハンガーにジャケットを掛けるとき、原則として、ボタンを留めません。
特に考えることなく、すでにそうしている人もいるかもしれませんね。
あらためて考えたことがなく「なんとなく」という理由から、ボタンを留めない人も多いのではないでしょうか。
スーツをハンガーに掛けるとき、直射日光の当たらない、日陰に掛けるのが常識です。
スーツを劣化させる大敵の1つが、紫外線。
紫外線によって色あせたポスターを見たことがあるでしょう。
スーツの寿命を縮める原因の代表は、2つあります。
汗とほこりです。
「スーツに汗が付着すると、寿命を縮める。きちんと虫干しをしよう」
スーツに付着する小さな繊維に、悩まされることがあります。
たとえば、水をこぼしてスーツがぬれたとき、とっさにハンカチやティッシュなどで拭き取ります。
水分をすぐ拭き取れるのはいいのですが、今度は、ハンカチやティッシュの繊維がスーツに付着します。
スーツの手入れを完璧にしようと思うと、意外に大変です。
クリーニング・ブラシ・ハンガーなど、費用が必要です。
ブラッシング・アイロンがけ・虫干しなど、丁寧にしようと思うと、時間も必要です。
ジャケットとスラックス。
それぞれを比較したとき、どちらが先に消耗するかというと、やはりスラックスでしょう。
スラックスは、歩くたびに生地の摩擦が発生するため、消耗も早い傾向があります。
スーツをクリーニングに出すとき「できません」と断られる場合があります。
特に高級な繊維が使われているスーツの場合、珍しくありません。
たとえば、カシミヤを使ったネクタイです。
ジャケットの胸と脇のポケット。
小銭や携帯電話など、気軽に入れてしまいがちですが、要注意です。
ジャケットの胸と脇のポケットは、基本的に飾りと考えましょう。
スーツを購入したときは、体型にぴったり合っていたスーツ。
ところが購入後、事情があって、体型に合わなくなることがあります。
痩せたため体型に合わなくなることもあれば、太ったため体型に合わなくなることもあるでしょう。
毎日スーツを手入れしていると、必ず取り外しするのが、ベルト。
スラックスを身につけるときは、ベルトを締め、スラックス用のハンガーにつるすときは、ベルトを外す。
普通の状況なら、ベルトの取り外しが、1日に1回は必ずあります。
ワイシャツは、消耗品と割りきったほうが楽です。
もちろん丁寧な手入れをして、長持ちさせることも可能です。
汚れが目立つところはピンポイントで手洗いをして、ほつれた糸は縫い直します。
スーツの中でときどき邪魔に感じるのが、取り扱い絵表示のタグ。
取り扱い絵表示には、その素材の最適な取り扱い方法が記載されています。
適切な洗い方、アイロンの温度、干し方などです。
新しい季節が来れば、長期保管していたスーツの出番です。
夏が来れば、夏用のスーツ。
冬が来れば、冬用のスーツですね。
スーツの手入れで注意したいのは、気持ちの緩みです。
毎日スーツの手入れを継続するのは、簡単なようで、難しい。
最初は誰でも、気合を入れて手入れをします。
あなたはスーツの手入れが、面倒だと感じますか。
もし面倒と思うなら、スーツへの愛情が、不足気味かもしれません。
スーツの手入れをするときに、最も大切なことは何か。
それは、スーツに愛情を抱くことです。
「愛情」と聞けば大げさに聞こえるかもしれませんが、大げさなことではありません。
スーツは生き物です。
自分のビジネスをサポートしてくれる相棒です。
ですから人のように、愛情を抱いて当然の存在です。
スーツを、大切な友人のように思い、これから長く付き合っていく存在として大事にする気持ちが大切です。
スーツへの愛情がなければ、いくら手入れの勉強をしたところで、十分生かされません。
サボったり、けちったりするからです。
ブラッシングや虫干しを、サボる。
クリーニング代やハンガー代を、ケチる。
愛情がなければ、手入れを放棄してしまうため、スーツがすぐ傷みます。
これでは、いくら手入れの勉強をしたところで、意味がないのです。
スーツへの愛情が、どれだけあるかです。
スーツへの愛情があれば、手入れも面倒と思わず、積極的にしようとします。
手入れの仕方がわからなくても、自分で学ぼうとします。
仕事で疲れていても、脱ぎ捨てることはなく、きちんとハンガーに掛けます。
定期的にブラッシングや虫干しを、サボらず、きちんとする。
クリーニング代やハンガー代にも、ケチらず、お金を掛ける。
手入れをする行為の大本は、すべて、スーツへの愛情があってこそです。
スーツの手入れを学ぼうとするなら、まずスーツへの愛情を抱きましょう。
すでに愛情があるなら、もっと強く抱くといいでしょう。
スーツに愛情を抱くことが、手入れをする第一歩です。
スーツの寿命を決める要因の1つは、スーツを買う段階にあります。
スーツは、自分の体型に合ったものを選ぶのが鉄則です。
大きすぎたり小さすぎたりすれば、見苦しかったり着にくかったりしてしまいます。
さらにスーツの寿命にも、悪影響を及ぼします。
たとえば、スーツが体型より小さければ、余計な圧力がかかるため、生地が伸びてしまいます。
生地の摩擦も強くなるため、消耗が早くなります。
逆に、体型より大きすぎただぼだぼのスーツも、やはり不適です。
余計なしわをつくってしまい、消耗を早めます。
自分の体型に合ったスーツを買うことが、スーツの寿命を長くする基本。
スーツを買うときは、きちんと体型に合ったものを選びましょう。
はやりやこだわりは捨てて、店員にきちんと寸法を測ってもらい、体型にちょうど合ったスーツを選びます。
この素直さが、結果として、スーツの寿命を長持ちさせるのです。
ジャケット用のハンガーで最も理想的なのは、木製ハンガーです。
木製ハンガーには「除湿効果」「防臭効果」「芳香効果」の3拍子がそろっています。
スーツの寿命を長持ちさせる条件がこれほどそろっているハンガーは、ほかにはないでしょう。
しかし、木製ハンガーは高い。
木製ハンガーが最適とわかっていても、予算の都合で、買いたくても買えない人もいるでしょう。
では、優先順位を意識しながらハンガーを買うのはいかがでしょうか。
まず、まったく予算がなければ「簡易的なハンガー」から使い始めます。
クリーニングから服が戻ってきたとき、ワイヤーハンガーが付いた状態で戻ってくることがあります。
ワイヤーでつくられた簡単なハンガーですが、一応使えます。
格安ショップで売られている、プラスチック製のハンガーでもいいでしょう。
理想的ではありませんが、ハンガーに掛けないまま脱ぎ捨ているよりは、はるかに適切です。
もう少し予算に余裕があるなら「厚みのあるハンガー」はいかがでしょうか。
ある程度の厚みがあると、スーツの型崩れを防ぐため、プラスアルファの効果が期待できます。
それでも余裕があるなら、最後に「木製ハンガー」です。
木の素材は、スギでもヒノキでもかまいません。
「簡易ハンガー」→「厚みのあるハンガー」→「木製ハンガー」の順でステップアップすれば、無理がないでしょう。
ハンガーを買う予算に余裕がないときの、目安にしてください。
「まず道具から入る」という考え方もあります。
本来なら、スーツへの愛情が先にあって、次に、スーツの手入れに必要な道具を購入するのが一般的な順です。
もちろんこれがスムーズにできればいいのですが、なかなか思うように行かない人もいるはず。
そういう人は、あえて逆にするパターンも、時には有効かもしれません。
まず、立派な木製ハンガーを買ってしまうのです。
気持ちはなくてもかまいませんから、先に道具から購入します。
ただし、人からもらうのではなく、きちんと自腹で購入することが条件です。
最初に立派な木製ハンガーを自腹で買えば、スーツを大事にしようとする気持ちが強くなるでしょう。
わざわざお金をかけて立派なハンガーを買ったのだから、元を取りたいという気持ちが倍増するはずです。
また、立派なハンガーに掛けているスーツを見ているうちに、スーツに対する愛情も強くなっていくでしょう。
立派な木製ハンガーなら、ただハンガーに掛かったスーツも、1枚の絵になります。
そして、スーツも丁寧に扱いたくなる心理が働くのです。
副次的な作用があることを考えれば「木製のハンガーは値段が高い」と、あながち言い切れないのです。
外出中、思わぬアクシデントで、ワイシャツが汚れることがあります。
暗い色のワイシャツなら目立ちにくいのですが、明るい色のワイシャツの場合、やはり色が目立ちます。
すぐ洗濯やクリーニングに出したいところですが、外出中では難しい。
こんなとき、応急処置を覚えておくと、緊急時に役立ちます。
ジュース・コーヒー・醤油などは、水溶性のしみです。
水溶性のしみは、布に染み込む速度が速いのが特徴です。
そのため、素早く処置することがポイントです。
まず、しみが付いた布の下に、タオルを敷きます。
次に、固く絞った布を上から軽く押さえて、水分を吸収させていきましょう。
いずれも、水分の吸収力の高い布が適切です。
ポリエステルやアクリルでは吸収力が弱いため、適切ではありません。
こすると、摩擦によって生地を傷めるため、軽く押さえて対処します。
何度か押さえていると、だんだん水分が吸い取られ、しみが薄くなっていくはずです。
マヨネーズ・バター・口紅など、油を含むしみの場合、水溶性より少々やっかいです。
幸い、油は布に染み込む速度が遅いため、乾いたタオルで拭き取ります。
全体をこすって拭き取ると、かえって布の奥に浸透させます。
汚れがついた部分だけピンポイントで拭き取ると、うまく取れるでしょう。
少し生地をこすることになりますが、できるだけ最小限に抑える努力をして、拭き取ります。
もう少し入念に落としたければ、自宅に戻った後、乾いたタオルを敷きます。
ベンジンを含ませたタオルや歯ブラシなどで、叩きながら落としていきます。
最後に、水で絞ったタオルで再び叩き、自然乾燥させます。
さて、いずれの方法も、完全にしみを落とす方法ではなく、あくまで応急処置です。
完全にしみを落とすなら、洗濯やクリーニングが確実です。
時間がたてば経つほど色素が沈着して、取れるしみも取れなくなります。
「簡単な対処だけではうまく取れないだろう」と思えば、早めに洗濯やクリーニングをおすすめします。
スーツを収納するクローゼットには、3つのアイテムを設置しましょう。
除湿剤・消臭剤・防虫剤です。
湿気と不快なにおいを取り除き、虫の発生を防げます。
掃除によってクローゼットを清潔に保つのもいいですが、完璧とは言えません。
特に湿気が多くなる季節では、掃除の力にも限界があります。
そんなときは、素直に道具の力を借りるのが近道です。
現代社会は、素晴らしい道具を開発しました。
除湿剤・消臭剤・防虫剤は、小さくても、驚くほどの効果を発揮するでしょう。
もちろん費用はかかりますが、長期的に考えてみてください。
スーツの寿命を長くする効果を考えれば、むしろ節約になるのではないでしょうか。
効果があるかないかは、一度試してみてからでも遅くありません。
もし、3つを別々に準備するのが手間なら、一体型になったタイプを選ぶと便利です。
ただし一体型は、通常の個別型と比べて、効き目が弱かったり、使用期間が短めであったりする場合があります。
どちらにも長所・短所はありますが、違いをよく確認して、自分に合ったタイプを選ぶといいでしょう。
スーツをクローゼットに収納する際は、除湿剤・消臭剤・防虫剤を設置しましょう。
掃除によってクローゼットを清潔に保つのもいいですが、完璧とは言えません。
特に湿気が多くなる季節では、掃除の力にも限界があります。
道具の力を借りることで、クローゼットがいっそう清潔になり、かびや虫の害を防げます。
もちろん費用はかかりますが、スーツの寿命が長くなることを考えれば、費用の元は取れるでしょう。
さて、除湿剤・消臭剤・防虫剤を設置するまではいいのです。
気をつけたいのは、設置した後です。
除湿剤・消臭剤・防虫剤を設置したことに満足して、そのまま放置のままになることがあります。
いくら効き目のある除湿剤・消臭剤・防虫剤とはいえ、一定期間経てば、効き目が弱くなります。
最終的には、完全に効き目を失うのです。
効き目の持続期間については、商品説明の記載を目安にして、定期的に取り換えるようにしましょう。
きちんとした効果を保つため、効き目が切れてから交換するより、効き目が切れる前に交換するのが賢明です。
除湿剤・消臭剤・防虫剤を設置して終了ではなく、設置した後も、定期的な取り換えを心がけましょう。
行きつけのクリーニング店に訪れたとき、すべてのサービス内容を確認してみてください。
いつもドライクリーニングかウェットクリーニングばかりで、ほかのメニューの存在に気づいていない場合があります。
クリーニングサービスのほか、ほつれの修理やボタン留めなどのサービスが提供されていませんか。
クリーニング店によっては、補修サービスを提供している場合があります。
もし追加の補修サービスが提供されているなら、一度、詳細をよく確認してみましょう。
クリーニングと補修を、別々の店舗で依頼するより、1店舗でまとめて依頼したほうが、早く仕上がる場合があります。
場合によっては、セット割りや期間限定割引などがあり、思いのほか安上がりになることもあります。
意外にこうしたメニューの存在に気づかず、時間やお金を無駄遣いしている場合が少なくありません。
今度、行きつけのクリーニング店に向かうことがあれば、メニューの一覧をよく確認してみてください。
また、メニューに書かれていなくても、店主と直接交渉すれば、聞き入れてもらえることもあるでしょう。
クリーニング店を最大限に活用すれば、あなたの時間やお金を、より効率化できるはずです。
あなたがクリーニング店を選ぶとき、どのような基準ですか。
よく聞かれるパターンとしては、次の2つあります。
距離と値段です。
「近ければいい」
「安ければいい」
そんな基準で、クリーニング店を選びがちではないでしょうか。
できるだけ近い場所、なおかつ、できるだけ安いクリーニング店を探すパターンが多いのではないでしょうか。
もちろん一般的な衣服なら、それでもいいでしょう。
クリーニングの選び方は、自由です。
しかし、スーツの寿命を考えるなら、クリーニング店の選び方は、スーツの寿命にも関係します。
クリーニング店とはいえ、質には、ばらつきがあるからです。
機械を使って素早く仕上げる店もあれば、職人が、1枚ずつ時間を掛けて仕上げる店もあります。
スピードを売りにしたクリーニング店も、速さと引き替えに、仕上がりも簡易的かもしれません。
「クリーニング」と一言で言っても、クリーニング店によって、落ち方や仕上がり方に差があるもの。
一般にはどれも同じに見えるクリーニング店ですが、実際は店によって技術に差があることを知る必要があります。
スーツに関して言えば、クリーニング店を選ぶ基準は、場所や値段より、質です。
自宅から多少離れていたり、値段が少し高かったりしても、クリーニング代は、スーツを長持ちさせるための必要投資。
できるだけスーツの寿命を長持ちさせるためにも、より質の高いクリーニング店を選びましょう。
クリーニング店の選び方が、スーツの寿命を左右するのです。
素材に応じて、手入れの度合いも変化させることが大切です。
素材の種類に関係なく、すべてのスーツを一定の手入れで統一させるのもいいでしょう。
しかし、一般に高級と言われる素材が使われたスーツほど、入念な手入れをしたほうが賢明です。
値段が高いから入念に手入れをする意味もありますが、もう1つ、別の意味があります。
「高級な素材のスーツほど、虫に狙われやすい」という理由があるからです。
虫たちは、高級と言われる素材に限って大好物です。
たとえば、ウール・シルク・カシミヤなどの動物性繊維です。
動物性繊維は、綿や麻などの植物性素材とは違い、虫の食料になります。
そのため、虫をおびき寄せやすく、食われやすいのです。
同じ手入れをしても、高級な素材ほど、痛みやすくなると考えていいでしょう。
ウール・シルク・カシミヤなど、高級素材が使われたスーツは、手入れを入念にしておくのが賢明です。
こまめにブラッシングをしたり、虫干しの回数を増やしたりなどです。
素材に応じて、手入れの頻度や度合いを調整すれば、高級なスーツでも、きちんと長持ちさせることができます。
「少しでも立派に見られたい」
スーツを購入する際は、どう見られるかを意識しながら選ぶ場合が多いのではないでしょうか。
社会を未経験の学生でも、スーツを着れば、それなりの立派な様子に見えるから不思議です。
格式あるスーツのデザインは、信用や規律などを高めるのに役立つツールです。
少しでも立派なスーツを着たほうが、仕事ができるように見られる効果もあります。
そうしたことを考えていると、スーツを買うとき「できるだけ高価なものを選びたい」と思う傾向があります。
少しでも高級素材を使ったスーツを着れば、それだけ立派に見えるでしょう。
もちろんスーツの値段も大切ですが、もっと大切なことを忘れていませんか。
スーツで大切なのは、値段より、手入れです。
どんなに高価なスーツでも、しわだらけでは不格好です。
せっかく高い費用をかけて高級なスーツを買っても、手入れの仕方が悪ければ、しわだらけになるでしょう。
また、素材をすぐ傷めてしまうため、消耗も早くなり、すぐ寿命を迎えるに違いありません。
現実的な優先順位を意識したほうが賢明です。
まず、手入れの知識と技術を身につけ、きちんとできるようになる。
それでも物足りないと感じたとき、初めて、さらに高価なスーツを検討すればいいでしょう。
スーツの手入れができてこそ、スーツは威光を放ちます。
最初にスーツの手入れから始めたほうが、かかる費用も抑えられるのです。
ジャケットを長持ちさせたければ、ワイシャツは、半袖より長袖を選びましょう。
「袖の長さが関係するのか」と思いますが、実は、関係あるのです。
多くの人が見落としがちな、盲点です。
たとえば、半袖のワイシャツにジャケットの組み合わせで考えてみましょう。
別に問題ない組み合わせに思えますが、注意を向けたいのは、腕から先。
腕の半分から先の部分は、ジャケットと直接触れることになります。
直接触れれば、汗や垢が付き、汚れやすくなります。
汚れやすくなれば、それだけクリーニングの頻度も高くなり、消耗も早くなるのです。
クリーニングの頻度は一般的に、3カ月に1回で十分と言われます。
この頻度は、あくまで肌に直接触れないことが前提です。
もし直接肌に触れると、汚れやすさは一気に高まるため、クリーニングの頻度も上がります。
クリーニングは多少なりとも、スーツにダメージを与えますから、頻度を上げると、消耗も激しくなるのです。
ジャケットと肌を直接触れない工夫として、ワイシャツは、できるだけ長袖を選んだほうが賢明です。
暑い夏場では、難しい状況もあるかもしれませんが、できるだけ意識してみてはいかがでしょうか。
スーツを長く着用していると、だんだん膝や肘の部分がてかってくることがあります。
原因は、圧迫です。
肘や膝は、圧迫によって繊維が押しつぶされやすい部分であるため、てかりやすくなる特徴があります。
てかりがあまり目立つと、みっともなく見えてしまいます。
もちろんてかりも、対処法があります。
ただし、摩擦によるてかりは、生地が削られているため、対処は不可能です。
てかりに対処できるのは、圧迫によるてかりの場合です。
圧迫によるてかりを直すためには、いくつか方法があります。
最もシンプルな方法は、アイロンの蒸気です。
軽微なてかりなら、アイロンの蒸気を少し当ててからブラッシングすると、ある程度元に戻す効果があります。
蒸気が乾燥するときに生地も伸び、てかりが緩和されるのです。
ベンジンは、しみを落とすときに使う道具として知られていますが、てかりにも使えます。
少量のベンジンをタオルにつけて、てかっている部分を軽く押さえましょう。
その後に、ブラシでブラッシングをすると、生地に自然な状態がよみがえり、てかりが消えます。
ただし、ベンジンは引火性が強いため、取り扱いには十分注意しましょう。
洗面器いっぱいの水に、大さじ1杯のアンモニアを溶かします。
そのアンモニアを溶かした液で布を絞り、てかっている部分を軽く押さえましょう。
最後に、その布を当て布にして、アイロンをかけると消えます。
アンモニアがなければ、代わりに酢を使うこともできます。
手順は、アンモニアと同じです。
ジャケットを長持ちさせたければ、肘をつく癖に要注意です。
ある程度スーツを着用していると、肘の部分がてかってきます。
仕事中に考え事をしているとき、肘をつくことがあるでしょう。
何度も肘をついていると、圧迫によってだんだん生地が薄くなり、てかってくるのです。
さて、圧迫によるてかりなら、まだいいのです。
アイロンの蒸気を当てたり、ブラッシングをしたり、ベンジンを使ったりなど、対処方法はいくつかあります。
元に戻す方法があるため、あとからなんとかなるのです。
本当に気をつけたいのは、摩擦によるてかりです。
摩擦によるてかりは、残念ですが、元に戻すのは不可能です。
肘当てタイプのジャケットなら、取り換えが可能ですが、一般的なジャケットの場合、元に戻すのは絶望的でしょう。
生地がすり切れてしまえば、もうどうしようもありません。
いくらブラッシングをしても、いくらアイロンの蒸気を使っても、失われた繊維は、もう元には戻らないのです。
肘の摩擦を防ぐためにも、普段から、できるだけ肘をつく癖をやめたほうがいいでしょう。
肘をつくと、大なり小なり、摩擦が発生します。
特に肘をつきながら、ずるずるこするような動きは、要注意。
摩擦によって肘の部分がすぐすり切れてしまい、一気にジャケットの寿命を縮めるのです。
いま一度、自分の普段を振り返り、肘をつく癖がないか確認しましょう。
肘をつきたければ、腕の第1関節と第2関節の平らな部分を机に接触させるくらいが賢明です。
またどうしても肘をつきたければ、タオルやパームレストなどを利用するのもいいでしょう。
できるだけ肘の摩擦が小さくする工夫をしたほうが、ジャケットも長持ちするのです。
「さあ、今日も1日、頑張るぞ!」
そう思って着ようとするスーツが、しわだらけなら、どうでしょうか。
入る気合も入らなくなり、今日を頑張ろうとするやる気が、一気に失われるでしょう。
何もしていないにもかかわらず、疲れを感じるに違いありません。
私たちはいつの間にか、衣服から影響を受けています。
パジャマを着ると、落ち着いてリラックスができ、自然な眠気がやってきます。
学生服を着ると、礼儀・規律・秩序を重んじるようになり、勉強にも気合が入りやすくなります。
スポーツ用のユニホームを着ると、体を動かしたくなり、闘争心がみなぎります。
そして、仕事用のスーツを着ると、心と体の気持ちが引き締まり、仕事のやる気が燃え上がります。
すべての衣服は、何らかの効果が備わっているのです。
大事なスーツにしわが寄っていると、気持ちを引き締めるツールの効果が生かされません。
疲れたスーツを着ると、スーツから疲れやすい悪い影響を受け、疲れやすくなります。
まさしく、逆効果を生み出すのです。
疲れやすい原因は、スーツかもしれないと疑ってみてください。
手入れとは、スーツを長持ちさせるためだけに、するものではありません。
気持ちをより引き締めるために、するものでもあります。
手入れによって、スーツの効果が、より効果的になります。
しわのないスーツだからこそ、スーツらしい本来の効果が、十二分に発揮されるのです。
アイロンを使用する際に注意したいのは、硬水です。
硬水はミネラル分が含まれているため、乾燥したとき、ざらざらした白い粉が発生する場合があります。
含まれるミネラル分は微々たる量のため、ほとんど違いはわかりません。
しかし、長期間、繰り返し何度もアイロンをしているうちに、白い粉が次第に目立ち始めることがあります。
余計なミネラル分は、生地に備わる本来の感触を妨げることがあります。
また、アイロンの不具合につながりやすいため、硬水は避けたほうが賢明です。
アイロンを使用する水は、できれば硬水ではなく軟水のほうがいいでしょう。
市販されている軟水を使うか、軟水をつくる機械を使ってもかまいません。
ハンガーにジャケットを掛けるとき、原則として、ボタンを留めません。
特に考えることなく、すでにそうしている人もいるかもしれませんね。
あらためて考えたことがなく「なんとなく」という理由から、ボタンを留めない人も多いのではないでしょうか。
実はスーツを長持ちさせる点から言っても、ボタンを外したまま、ハンガーに掛けたほうが良いといわれています。
その理由は、3つあります。
もともとスーツの型は、胴体部分があるのを前提として設計されています。
ジャケット用のハンガーも、胴体部分があるのを考えられて設定されていて、立体的で分厚いのが特徴です。
胴体がない状態でボタンを掛けると、全体的にスーツが不自然になり、型崩れの原因になります。
ボタンを外してゆったりさせておくほうが、スーツの型崩れを防げます。
ボタンの糸や穴は、消耗品です。
ハンガーに掛けたり取り外したりするたびにボタンを触っていると、ボタンの糸や穴の消耗を早めます。
余計な手間を減らして、余分な消耗を避ける意味もあります。
ボタンを留めてしまうと、ジャケットの内側の風通しが悪くなります。
湿気が蒸発しにくかったり、においが残りやすくなったりします。
ボタンを外しておくことで、風通しが良くなり、汗の蒸発やにおいの除去がスムーズになります。
スーツをハンガーに掛けるとき、直射日光の当たらない、日陰に掛けるのが常識です。
スーツを劣化させる大敵の1つが、紫外線。
紫外線によって色あせたポスターを見たことがあるでしょう。
その状況と同じように、スーツも紫外線に当たり続けていると、色あせを加速させ、寿命を縮めます。
スーツは、直射日光を避けた日陰でつるしておくのが鉄則であることは、すでにご存じでしょう。
さて、現実ではどうでしょうか。
直射日光を避けているつもりでも、実は気づかないところで、紫外線にさらされている場合があります。
その1つが、太陽の角度です。
太陽は、東から上って、西に沈みますね。
太陽の位置が、時間ごとに、じわじわ変わります。
すると、ハンガーにつるしたときは日陰でも、時間が経過したとき、太陽の直射日光が照りつけることがあります。
特に注意したいのが、夕方。
夕方の太陽は、ほぼ横から照りつけるため、意外な盲点になっていることがあります。
真横から当たる太陽の光は、間取りの状況によっては、部屋のほぼ全域に広がる状況になるでしょう。
夕方の紫外線量は、昼間の10分の1から5分の2程度といわれています。
昼間ほど強い太陽光ではありませんが、紫外線が含まれていることに変わりありません。
ささいな点かもしれませんが、小さな問題も、積み重ねれば大きくなります。
「少しくらい大丈夫」と軽視せず、しっかり直射日光を避ける対策を立てましょう。
心配なら、クローゼットに収納して、扉を閉じておくのが安心です。
スーツの寿命を縮める原因の代表は、2つあります。
汗とほこりです。
「スーツに汗が付着すると、寿命を縮める。きちんと虫干しをしよう」
「ほこりはスーツを傷める。こまめにブラッシングをしよう」
そうしたスーツの手入れのアドバイスを、一度は聞いたことがあるでしょう。
ところで、ここで疑問が浮かびます。
普通に考えれば、さほど、大敵とは思えないのではないでしょうか。
汗で湿ったとしても、乾燥すれば、元に戻りそうな気がします。
ほこりも、きちんとブラッシングすれば、汚れは落ちるはずです。
たしかに感覚としてはそうかもしれませんが、誤解です。
汗とほこりの悪影響は少し奥が深く、単純な話ではないのです。
最大の問題点は、ペーハー値。
汗の湿気も問題ですが、それ以上に問題なのは、汗のペーハー値です。
汗は基本的に、弱酸性です。
ところが、脂っこい食事に偏っていたり、運動不足で汗をかく習慣がなかったりする人は、状況が変わります。
汗にミネラル分が混じるため、アルカリ性に傾きます。
スーツの素材はアルカリ性が苦手であり、触れると、スーツの劣化を早めます。
アルカリ性は、タンパク質を溶かす性質があります。
アルカリ性の温泉に入ると、肌がぬるぬるするのは、皮膚のタンパク質が溶けているからです。
こうした状況がスーツでも起こると思えば、いかに悪影響であるか、想像できるでしょう。
ウール・シルク・カシミヤなど、タンパク質が含まれる動物性繊維は、わずかなアルカリ性でも敏感に反応します。
あっという間に劣化させ、素材をダメにするのです。
ちなみに、ほこりのペーハー値もアルカリ性であり、悪影響は同じ考え方です。
さらにやっかいなのが、一度色あせたスーツは、元に戻せないことです。
ボタンが取れれば、縫い直して補修できますが、スーツの色あせは、対処が不可能です。
こうした事情から「汗とほこりはスーツの大敵」と言われているのです。
私たちにとっては、普通に感じる汗とほこりですが、スーツにとっては、恐怖の存在なのです。
スーツに付着する小さな繊維に、悩まされることがあります。
たとえば、水をこぼしてスーツがぬれたとき、とっさにハンカチやティッシュなどで拭き取ります。
水分をすぐ拭き取れるのはいいのですが、今度は、ハンカチやティッシュの繊維がスーツに付着します。
小さな繊維でも、意外に見苦しくてなんとかしたいのですが、この繊維がやっかい。
簡単に取れそうで、なかなか取れない。
小さな繊維でも、スーツをはたくだけでは取り除くのが難しく、意外に悩まされるのではないでしょうか。
この繊維を取るときに役立つのが、セロハンテープです。
セロハンテープの粘着部分をスーツに当てると、しつこい繊維が簡単に取り除けます。
繊維の奥まで入り込んだ繊維でも、何度かぺたぺたしていると取れるのです。
もちろんセロハンテープに限らず、粘着性のあるものなら、何でもかまいません。
ガムテープやシールでも、うまく活用できるはずです。
スーツの手入れを完璧にしようと思うと、意外に大変です。
クリーニング・ブラシ・ハンガーなど、費用が必要です。
ブラッシング・アイロンがけ・虫干しなど、丁寧にしようと思うと、時間も必要です。
したほうがいいとわかっていても、忙しい人にとっては、なかなか難しい現実もあるのではないでしょうか。
そんなときは、優先順位を意識しましょう。
優先順位の高い手入れから始めれば、限りある費用や時間を有効に活用できます。
スーツの手入れの中でも、これだけは押さえておきたいことが、3つあります。
スーツの手入れの中でも、最重要な3つのポイントです。
これだけは何としても、やり遂げたい。
この3つがきちんとできていれば、ひとまず長持ちの最低条件は満たせます。
そのうえで余裕があれば、ブラッシング・アイロンがけ・虫干しなどの手入れを追加していけばいいでしょう。
最初からすべてを完璧にしようとする心がけも素晴らしいですが、費用対効果や時間対効果も大切です。
費用も時間も有限。
優先順位の高い手入れから始めたほうが、限られた費用と時間を効率よく使えます。
ジャケットとスラックス。
それぞれを比較したとき、どちらが先に消耗するかというと、やはりスラックスでしょう。
スラックスは、歩くたびに生地の摩擦が発生するため、消耗も早い傾向があります。
そのうえ地面から跳ね返る砂ぼこり・泥・ごみなどが付着しやすく、汚れやすいのです。
雨の日ともなれば、帰宅後、スラックスが見苦しいことになっているのは確実でしょう。
多くの場合、ジャケットよりスラックスのほうが早く消耗してしまうのです。
「スラックスだけ、いつも先にダメになる」
もし外回りが多ければ、ジャケット1着につき、スラックスを2枚持つ方法もあります。
スラックスをもう1着買うことになりますが、消耗の早さを考えれば、ちょうど良い場合もあります。
2着のスラックスをローテーションさせれば、急に汚れても安心です。
「スーツを購入するとき、ジャケットとスラックスを1着ずつ」という決まりはありません。
自分の都合に合わせて、余分に買えます。
スーツを上下セットで買うとき、スラックスだけ余分に購入するのは、むしろ賢い買い方です。
スーツをクリーニングに出すとき「できません」と断られる場合があります。
特に高級な繊維が使われているスーツの場合、珍しくありません。
たとえば、カシミヤを使ったネクタイです。
「申し訳ございませんが、あいにく、ネクタイのクリーニングはいたしかねます」
そう言われると「そうか。ネクタイはクリーニングできないのか」と思って諦めそうになりますが、ここが注意です。
「できない」という意味は「ネクタイのクリーニングはできません」という意味とは限りません。
「当店では十分な技術がないため、高級繊維のクリーニングは扱っていません」という意味の場合があります。
同じ「できない」でも、意味が異なるのです。
特に高級繊維を使ったスーツは、普通にクリーニングすると、痛みが目立つ場合があります。
けば立ちが目立ったり、型が崩れたりなどです。
クリーニング店によっては、品質を保ってクリーニングできる保証がないため、断る場合があるのです。
クリーニング店は、店舗によって技術に差があることを思い出してください。
その店でできなくても、ほかの店なら、対応してくれる可能性があります。
汚れたものをクリーニングしないまま放置すると、寿命を縮めるだけです。
断られたなら、できるクリーニング店を探すのが賢明です。
店の評判や技術力を事前に確認すれば、選びやすくなるでしょう。
ジャケットの胸と脇のポケット。
小銭や携帯電話など、気軽に入れてしまいがちですが、要注意です。
ジャケットの胸と脇のポケットは、基本的に飾りと考えましょう。
もちろんポケットとしての機能はありますが、できるだけ、からの状態にしておくほうがいいでしょう。
物の重みで型崩れしやすく、スーツの寿命に影響するからです。
ティッシュやハンカチは、スラックスのポケットが最適でしょう。
財布・手帳・名刺入れなどは、ジャケットの内側のポケットに入れます。
内側のほうが、胸や脇のポケットより安定しやすいため、型崩れを抑えられます。
左右のどちらでもかまいませんが、取り出しやすいほうが、余計な摩擦も抑えられるはずです。
ただし、内ポケットに物を入れるとはいえ、重いものは、できるだけ避けましょう。
重い財布や大きな手帳を使っているなら、サイズや重さを見直したほうがいいかもしれません。
帰宅してジャケットをハンガーに掛ける際は、ポケットの中身をすべて取り出しておきましょう。
物をポケットに入れたままにしているのは、人が余計な荷物を背負っているのと同じ。
じっとしていても、体力を消耗します。
ジャケットの胸と脇のポケットは、基本的に飾りと考え、できるだけ何も入れない心がけが大切です。
スーツを購入したときは、体型にぴったり合っていたスーツ。
ところが購入後、事情があって、体型に合わなくなることがあります。
痩せたため体型に合わなくなることもあれば、太ったため体型に合わなくなることもあるでしょう。
いずれにせよ、体型に合わなくなったスーツは、余計な圧力・摩擦・たるみがあるため、スーツの寿命に悪影響です。
さて、スーツが体型に合わなくなったとき、どうするか。
理想的な対応は、やはり新しくスーツを買い直すことです。
スーツ代がかかって悩ましいとは思いますが、無理にスーツを着続けたところで、消耗が目立つのは時間の問題です。
見苦しい姿を見せるのは、ビジネスにも悪影響です。
スーツ代より、ビジネスへの悪影響を優先して考えるほうが、社会人としてふさわしい姿勢でしょう。
特に営業や接客など、人と会うことが多い仕事では、身だしなみや外見が大切です。
体型に合っていないスーツを着ていれば、頼りない印象を与え、ビジネスに悪影響が出るかもしれません。
そうなるくらいなら、新しく買い直したほうが悩みの解決も早く、スーツもスマートに着こなせます。
「いつか購入しよう」と思っていると、いつまで経っても購入しないもの。
体型の変化でスーツに違和感が出始めれば、早めの買い換えをおすすめします。
毎日スーツを手入れしていると、必ず取り外しするのが、ベルト。
スラックスを身につけるときは、ベルトを締め、スラックス用のハンガーにつるすときは、ベルトを外す。
普通の状況なら、ベルトの取り外しが、1日に1回は必ずあります。
さて、注目したいのは、ベルトを外すときです。
「ベルトを通す穴は、なぜか痛みやすい」
そう思ったことはありませんか。
その原因は、ベルトを外すときに問題があるのかもしれません。
ベルトを外す瞬間を思い出してください。
仕事で帰宅して、スラックス用のハンガーにスラックスをつるします。
仕事でへとへとに疲れているため、ベルトを乱暴に外しやすいのです。
よくあるのが、勢いよく引っ張ってベルトを外す行為です。
少しでも早く休みたいため、ベルトを外すとき、引っ張る勢いが強く乱暴になりがちです。
これがよくない。
一瞬でも、ベルトと布の部分に強い摩擦が生まれ、ベルトを通す穴を傷めるのです。
心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
心身ともに疲れきっているかもしれませんが、スラックスの寿命に関わる大切な瞬間です。
もう一踏ん張り頑張って、丁寧なベルトの外し方を心がけましょう。
勢いはつけず、ゆっくり引きます。
さっと引っ張るのではなく、するする引くイメージです。
これを心がけるだけで、ベルトを通す穴の消耗は、ずいぶん改善されるはずです。
ワイシャツは、消耗品と割りきったほうが楽です。
もちろん丁寧な手入れをして、長持ちさせることも可能です。
汚れが目立つところはピンポイントで手洗いをして、ほつれた糸は縫い直します。
取れかけたボタンは縫い直したり、丁寧にアイロンを掛けたりすれば、長持ちさせることは可能です。
しかし、外観上は問題ないように思えても、素材に問題が出るのです。
ワイシャツは、スーツとは違って肌に直接触れるため、汗が付着しやすいのが特徴です。
私たちが汗をかくのは、暑いときだけではありません。
私たちの体は、体温調整のため、常にわずかな発汗をしています。
汗をかいたと感じていなくても、私たちが1日にかく汗の量は、およそ1リットルといわれています。
汗をかいたつもりはなくても、1日の終わりに着終わったワイシャツをにおうと汗臭いのは、そのためです。
しかも単なる水分ではなく、塩分やミネラル分が混ざっているため、雑菌も繁殖しやすい状態です。
直接肌に触れるワイシャツは、スーツとは違い、汗によって素材を傷めやすいため、長期利用が難しいのです。
そうした事情があるため、いっそのこと、ワイシャツは消耗品と割り切ったほうが楽です。
使用頻度にもよりますが、一定期間使えば、新しいワイシャツに買い換えましょう。
役目を終えたと考え、古いワイシャツに別れを告げ、新しいワイシャツを購入します。
スーツの中でときどき邪魔に感じるのが、取り扱い絵表示のタグ。
取り扱い絵表示には、その素材の最適な取り扱い方法が記載されています。
適切な洗い方、アイロンの温度、干し方などです。
取り扱い絵表示はいいのですが、ひらひらしたタグが目障りと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
余計なタグがあると、デザインが悪くなると思い、切り取ってしまう人がいます。
クリーニングに頼ってばかりの人は「どうせ業者が判断してくれるからいらないだろう」と軽く考えることもあるでしょう。
ここが落とし穴です。
余分なタグがなくなった分だけ、デザインがすっきりするメリットがあるのはわかります。
しかし、それ以上に、さまざまなデメリットが生じます。
まず自分で洗濯する場合、どう洗うのが適切なのか、正しく判断できなくなります。
自分勝手な判断で洗濯すると、たいてい失敗するでしょう。
繊細な生地の場合、一度でも失敗すると、元に戻せません。
繊細な生地は、一度の失敗も許されない厳しい素材でもあります。
高価なスーツを、すぐ傷める可能性があるのです。
また、クリーニングに出すときにも、デメリットが生じます。
クリーニング店は洗濯のプロですから、生地を見れば、適切な扱い方は判断できるでしょう。
ただし、それも絶対ではありません。
取り扱い絵表示のタグが切り取られていると、クリーニング店では、何か問題が起こっても保証してくれない場合があります。
タグが邪魔と感じるかもしれませんが、切り取らないことです。
取り扱い絵表示のタグは、洗濯する側にとっては、重要な情報が載っているのです。
新しい季節が来れば、長期保管していたスーツの出番です。
夏が来れば、夏用のスーツ。
冬が来れば、冬用のスーツですね。
収納前にはクリーニングに出していたため、汚れもしみもなく、きれいです。
もちろんクリーニングに出した後は、一度も着ていないため、汗臭いにおいもないはず。
着たいときにすぐ着られる状態と思っている人も、多いのではないでしょうか。
ところが、そう単純ではありません。
ハンガーに掛かったまま長期保管されたスーツは、汚れやしみはなくても、しわやたるみが目立つでしょう。
重力の影響で、わずかではありますが、生地が伸びているのです。
また、スーツに汗臭いにおいはなくても、乾燥剤のにおいが繊維の深くまで染み込んでいるでしょう。
したがって、いくら問題ないと感じても、長期保管した後のスーツは、着る前に一度アイロンを掛けるのが適切です。
しわとたるみがぴんと伸びて、きれいになります。
スーツのにおいも、アイロンの蒸気によって取り除かれます。
時間に余裕があれば、部屋でしばらく干しておくと、においの発散がスムーズになるため、いっそう効果的です。
わくわくした気持ちで早く着たいかもしれませんが、正しい手順を踏む習慣を身につけましょう。
スーツの手入れで注意したいのは、気持ちの緩みです。
毎日スーツの手入れを継続するのは、簡単なようで、難しい。
最初は誰でも、気合を入れて手入れをします。
たとえば、買ったばかりのスーツは大事に扱おうと思うため、手入れも入念にするでしょう。
ところがしばらくすると、だんだん気持ちが緩み始めます。
大事に扱う気持ちが冷めてきて、手入れがだんだん粗悪になるのです。
毎日していたブラッシングを、だんだんサボるようになる。
定期的にしていた虫干しを、だんだんサボるようになる。
驚くべきことに、自分ですら、いつの間にか手入れの質が悪くなっていることに気づかない場合もあります。
人間ですから、誰でも気持ちが緩むのは当然のことです。
しかし、ここがスーツの寿命を左右する分かれ道です。
気持ちは緩みがちかもしれませんが、それに甘んじてはいけません。
自分に厳しくなり、スーツの手入れの質を維持し続けましょう。
いま一度、気持ちを引き締め、初心に返ることが大切です。
怠けがちになっている自分にむちを打ちましょう。
質の良い手入れを継続してこそ、スーツの寿命も長持ちします。