素材に応じて、手入れの度合いも変化させることが大切です。
素材の種類に関係なく、すべてのスーツを一定の手入れで統一させるのもいいでしょう。
しかし、一般に高級と言われる素材が使われたスーツほど、入念な手入れをしたほうが賢明です。
値段が高いから入念に手入れをする意味もありますが、もう1つ、別の意味があります。
「高級な素材のスーツほど、虫に狙われやすい」という理由があるからです。
虫たちは、高級と言われる素材に限って大好物です。
たとえば、ウール・シルク・カシミヤなどの動物性繊維です。
動物性繊維は、綿や麻などの植物性素材とは違い、虫の食料になります。
そのため、虫をおびき寄せやすく、食われやすいのです。
同じ手入れをしても、高級な素材ほど、痛みやすくなると考えていいでしょう。
ウール・シルク・カシミヤなど、高級素材が使われたスーツは、手入れを入念にしておくのが賢明です。
こまめにブラッシングをしたり、虫干しの回数を増やしたりなどです。
素材に応じて、手入れの頻度や度合いを調整すれば、高級なスーツでも、きちんと長持ちさせることができます。