猫は1日の起きている時間のうち10パーセントは、毛繕いをしているといわれています。
お風呂に入る習慣がなく抜け毛が激しいので、舌を使って汚れを落としたり毛並みを整えたりしようとします。
個体差はありますが、いずれにせよ多くの時間を使っているのは間違いありません。
毛繕いをするのは自然な行為ですが、あまりに頻繁なら、話は別です。
皮膚がはげたり出血したりするくらい毛繕いをするなら、何かのトラブルを抱えていることが考えられます。
代表的な可能性が、3つあります。
部屋の掃除や猫のブラッシングなどを怠っていると、ダニはどんどん繁殖します。
ちくちくした痛みやかゆみが気になり始め、いつも毛繕いをしてしまいます。
対策としては、やはり、こまめな掃除とブラッシングを心がけることに尽きます。
定期的に部屋の掃除をして、布団を洗濯したり日干ししたりしましょう。
ダニがいなくなって部屋が清潔になれば、自然と問題が解決していくことがあります。
猫が精神面で何らかのストレスを抱えている可能性も考えられます。
ストレスを紛らそうとする行動が「毛繕い」という行動として表れている場合があります。
部屋の温度が熱すぎる、または寒すぎるのかもしれません。
引っ越しなどの環境の変化によるストレス。
けがによるストレス。
多頭飼いによるストレス。
多種多様なストレスの原因の中から心当たりがあれば、原因を取り除きましょう。
おっぱいばかりをなめているのだとしたら、単に猫のマスターベーションかもしれません。
毛繕いをしているうち、自分で自分のおっぱいをふとなめることがあります。
気持ちのよさを覚え、癖になっている場合があります。
対策としては、マスターベーションより、面白いことや楽しいことを教えてあげることです。
飼い主が遊び相手になったり、おもちゃがたくさんあったりすれば、自然とそちらに気が向いて、癖が取れます。
このように原因によって対策も変わります。
いま一度生活を振り返り、毛繕いばかりする原因を突き止めてみましょう。
もし、自分での判断が難しい場合は、獣医師に相談してみるといいでしょう。
ただし、いくら獣医師に相談すると言っても、普段の猫の生活環境を熟知しているのは、飼い主です。
飼い主が、普段の猫の状態をしっかりチェックして、どんなことが原因になっているのかを、把握するよう努めましょう。
また、はげた一部の治療のために、獣医師の指導のもと、動物用の医療器具「エリザベスカラー」を検討するといいでしょう。
エリマキトカゲのように首回りに装着して、体をなめられないように矯正する器具です。
これを使えば、体をなめられなくなります。
ただし、エリザベスカラーを装着している間は、飼い主はいつも以上に部屋の掃除とこまめなブラッシングを心がけましょう。