「おや。この人、家で猫を飼っているな」
ときどき私は人と話している瞬間、猫を飼っていることに気づけることがあります。
人の態度や行動でわかるわけではありません。
「におい」でわかります。
髪や服ににおいが付着しているのでしょう。
猫らしき独特のにおいが、漂ってきて、ふと気づきます。
なぜ猫を飼っていると、部屋がにおいやすくなるのでしょうか。
仕方ない事情が、3つあるからです。
放し飼いにしていると、外で車が往来したり、伝染病にかかったりする可能性があります。
猫の安全面を考えると、やはり完全室内飼いが基本です。
つまり、365日、常に部屋の中に居続けるという生活環境です。
猫は自分からお風呂に入る習慣は当然ないです。
そもそも水が大の苦手です。
体を洗おうとして、猫に水を浴びせるやいなや、大暴れすることもあります。
またあまりに頻繁にシャワーを浴びさせると、今度は皮膚が乾燥しすぎてしまい、皮膚の防御が弱くなります。
ダニにやられやすくなったり、皮膚がただれやすくなったりしてしまいます。
猫を清潔に保ちたいとはいえ、頻繁にシャワーに浴びさせるのも、考えものです。
基本的に、2、3カ月に1回。
短くても1カ月が目安になります。
部屋の空気を入れ替えたいですが、窓を開けると、猫が外へ逃げてしまいます。
網戸にすればいいですが、爪で網戸に穴を開けてしまいます。
その結果、なかなか部屋の空気の入れ替えに苦労している飼い主も多いです。
こうした理由から、猫を飼っているといつの間にか部屋ににおいがこもりやすく、衣服ににおいが付着しやすくなります。
しかもにおいは鼻が慣れやすく、自分では気づきにくい。
もし気づけるとしたら、一瞬だけあります。
外出先から帰ってきた瞬間です。
家のドアを開けた瞬間、ふと、屋外とは違うにおいを感じる。
そういう実感があれば、知らず知らずの間に、部屋はにおいが充満していると思っていいでしょう。
衣服にもにおいは付着しているはずなのです。