認知心理学の世界では、次のような言葉があります。
「ポジティブバイアス(前向きな先入観)」
「ネガティブバイアス(否定的な先入観)」
ポジティブバイアスとは「何をやっても前向きに思われる先入観」ということ。
ネガティブバイアスとは「何をやっても否定的に思われる先入観」ということ。
この2つの先入観を上手に利用する人が、頭がよく思われる人です。
いまだ学歴社会の残る日本では、こうしたことがあります。
東大生が偉そうなことを言うと「さすが頭のいい人は違う!」と思われる傾向があります。
話の内容はごく普通のことでも、東大生というステータスを前提に話をすると、何でも「さすが!」と思われるのです。
ポジティブバイアスが働いているからです。
前向きな先入観が働いているからです。
前向きな先入観があるために、一般の人から見ると、東大生は雲の上の存在に思われます。
「十分に考慮したうえで出した答えだ」と思ってしまうのです。
一方、高校すら卒業していない低学歴の人が、大きなことを言えば「偉そうなやつだ」と思われる傾向があります。
実際に正論であり、間違っていなくても、低学歴の人を見下して考えてしまう先入観があるのです。
厄介な先入観ですが、現代社会で生きるためには、こうした先入観が現実としてあることを受け止め、考える必要があります。
今回は例として「学歴」を挙げましたが、そのほかのアピールでもかまいません。
習慣にしろ、身なりにしろ、経験にしろ「この人はできる」という先入観を一度持ってもらうことです。
ポジティブバイアス(前向きな先入観)が浸透すれば、何をしても「さすが!」と思われることになるのです。