10代の人同士が話をしている内容と、30代の人同士が話している内容とでは、かなりの開きがあります。
10代の人が話の表面しか見ていないことに対し、30代の人の会話では、物事の本質を見ながらの話ができます。
私が年上の人と年下の人とそれぞれ会話をしたとき、年上の人のほうが明らかに深い内容なのです。
たとえばある事故の話をしたとき、10代の人同士の会話では「怖いね。嫌だね」という表面的な会話しか出てきません。
しかし、30代や40代の人になると「なぜ、こんなことが起こったのだろう。何がいけなかったのか」と、深まった話ができます。
話1つにしても、卵のように外側の「カラ」の部分と内側の「黄身」の部分のように、2つの側面を持っています。
物事の本質とは、常にこの「中身の部分」に当たります。
ここで1つ、面白いお話をしましょう。
10代の人に「なぜ付き合っているの」と聞くと「かわいいから。かっこいいから」と、こうした答えが返ってきます。
これはまさに卵でいう外側の「カラ」の部分しか見ていないということです。
その人は、まだ中身の「黄身の部分」を見ていないということです。
中身を知らない人が外側だけを見て、惚れて、それを理由に付き合っているというのは、考えてみればおかしな話です。
中身を知らずに「この人が好きなんです」と言っているのは、外側だけに踊らされているということです。
「卵はおいしいよ」と言っておきながら、まだ外側のカラの部分しか食べておらず、カラが卵だと思い込んでいるのです。
まだ本当の魅力を知らない状態であり、知らないがゆえにそれがすべてだと思い込んでいます。
付き合っている理由がまだ外側のカラしか見ていないのは危険な状態です。
卵とはカラなんだと間違って解釈してしまっているのです。
「かっこいいから。かわいいから」という理由で付き合っているのは、外側のカラの部分がその人のすべてだと思っているのです。
これらを踏まえて、今度はあなたに質問です。
あなたは人と付き合うときに、どんな人を選びますか。
思わず(1)の理由が浮かんできたなら要注意です。
それはまだ「卵=外側のカラ」としか思っていない状態です。
人間の本当の本質とは(2)の部分に当たります。
人間の年を取っても劣らない精神的な財産は(2)のようなことなのです。
自分に問いかけてみるといいでしょう。
あなたが人に対して、外側を重視しているのか、内側を重視しているのかを知ることができるテストです。