失恋をしている人の中には、たまにこういうことを言う人がいます。
「その人以上の人は考えられない!」
失った人への執着が強く、ほかの人へ目を向けようとしない人です。
振られたらほかの人を探せばいいじゃないかとアドバイスをしても、かたくなに拒みます。
「この人でなければダメ。この人以上の人は考えられない」
このように、聞く耳を一切もたないのです。
しかし、実際は、考えようとしないだけの話です。
地球には何十億もの人がいます。
そのほんのごく一部の人としか出会っておらず、見ていません。
にもかかわらず「これ以上の人はいない」という発言はおかしいのです。
ほかの人を探せばいいじゃないかと、私も失恋を経験するまでは、のんきに考えていました。
しかし、自分が失恋を経験することになり「それ以上の人は考えられない」という発言の心理が見えてくるようになります。
失恋をすると、視野が狭くなるのです。
恋は盲目と言いますが、失恋直後はさらに盲目になります。
ひどく落ち込み、周りが見えなくなるくらい、視野が狭くなってしまうのです。
私は自分が失恋を経験して、初めてこの体験をしたのです。
私も失恋をしたときは、胸いっぱいにこみ上げる思いがあり、ほかのことを考える余裕がありませんでした。
失恋中の友人がぼうっとしている姿を見たことがありませんか。
視野が狭くなり、ほかのことを考える余裕がなくなっているのです。
本人はそうしたくてしているわけではありません。
そうせざるを得ないくらいに視野が狭くなり、そのためにいつの間にかぼうっとしてしまいます。
「これ以上の人はいない」と決め付けてしまうことは、それほどまでに視野が狭くなっているということなのです。
この気持ちをわかってあげましょう。
「失恋中にほかの人を見なさい」とアドバイスをしても、視野が狭くなっているため、見えることも見えなくなっているのです。
こういうときは、落ち着く時間を与えることです。
気持ちがいっぱいのときは、ほかのことを考える余裕すらありませんから、当然ですが、あなたの言葉も素通りしてしまいます。
時間を置いて、落ち着くまで少し待つことが、一番の失恋万能薬になるのです。