猫は警戒心の強い動物です。
猫といえば、いつも寝ている光景が印象的ですが、寝ているとはいえ、3分の2は浅い睡眠です。
30分から60分の間の浅い睡眠の後、7分ほどの深い睡眠に入り、また30分から60分の間の浅い睡眠に戻ります。
寝ているときは、これを延々と繰り返しています。
寝ているとはいえ、浅い睡眠がほとんどですから、耳で音を聞いています。
外敵が近づいて物音がしたとき、すぐ気づいて逃げられるようにするためです。
また、寝場所も高い場所を好みます。
高い場所のほうが襲われにくいため、安心できるからです。
寝方も独特です。
猫はスフィンクスのような寝方や、アンモナイトのように丸まって寝ている場合が多いことでしょう。
あおむけになって寝ると、物音がしたときに、一度体を起こさなければならないため、逃げるまでの時間のロスが発生するからです。
このように睡眠の質の形態といい、高い場所を好む習性といい、寝姿といい、猫の強い警戒心がうかがえます。
しかし、室内で長く猫を飼っていると、猫の寝姿が悪くなるときがあります。
いつもはアンモナイトのような寝方をしているのに、あおむけになっておなかを見せるように寝ます。
猫のおなかといえば、猫の急所中の急所です。
毛も少なくて皮膚も薄いので、外敵に傷を負わされると浅い傷でも、大きな痛手を受けてしまいます。
その猫がおなかを出して寝ていると、行儀が悪くなり、不良になったように思えますが、飼い主にとって喜ばしいことです。
つまり、それだけ飼い主のそばは安全であり、信用しきっている証拠です。
最近、猫の寝相が悪くなったのではなく、飼い主との深い信頼関係が結べている証拠です。
猫がおなかを見せながら万歳をして寝ていたら、飼い主も万歳をするくらい喜んでいいのです。