猫の姿勢は独特です。
歩くときは背中が丸く曲がり、やや前方にかがむような姿勢になっています。
曲がっているのは腰だけではありません。
足も曲げながら歩いているはずです。
人間なら「もっと姿勢をよくして歩きなさい」と叱られそうなところです。
なぜ、わざわざこうした姿勢の悪い格好で歩いているのでしょうか。
それは、瞬発力を発揮するためです。
普段はのろのろしている猫ですが、獲物を捕まえるときには、スピードが必要です。
そのスピードがいつでも出るように、あらかじめ腰と足を曲げ、バネの状態にしています。
スピードを出したいときには、曲がった腰や足を伸ばすだけでいい。
また逃げるときにも威力を発揮します。
急に外敵から襲われそうになっても、腰と足をあらかじめ曲げていれば、伸ばすだけで瞬発力を発揮できます。
素早く逃げやすくなります。
野生のころからの警戒心が残っているため、ほぼいつも、腰と足を曲げています。
いつでも獲物を捕らえたり、逃げたりできるよう、あらかじめ足腰を曲げて準備を整えている状態です。
猫が本気になって走れば、100メートルを7秒台で走るそうです。
人の世界記録が100メートルを8秒台ですから、いかに猫が速く走るかおわかりいただけるでしょう。
とはいえ、飼い主もこうした姿勢を真似するのはよくありません。
いくら猫がいざというときのために腰を丸くしているとはいえ、人間はきちんと普段から背筋を伸ばして歩くほうが好印象です。
姿勢が悪いのは猫だけにして、人間は背筋を伸ばして歩きましょう。