文章を書くときには、自分の主張があります。
小論文では、自分の主張を持つことが大切です。
正しいか間違っているかを左右する、最大のポイントがあります。
「説得力」です。
少し乱暴な言い方ですが、相手をねじ伏せる説得力があれば、何でも正しい主張になってしまうといっても過言ではありません。
たとえば、次の2つの文章を見てみましょう。
「女より男のほうが強い」
「男より女のほうが強い」
この2つの主張を比べて、どちらが正しいか間違っているかは、関係ありません。
考え方や見方によって、どちらも正しい答えになります。
問題は、どう説得するかです。
「力や体力といい、女性より男性のほうが強い。事実、オリンピックの成績を見ると、常に男のほうが上になっている」
このように説得すれば、たしかにそのとおりだと思います。
一緒にデータも提示できれば、完璧です。
しかし、逆に、次のようにも言えます。
「力では男性に負けても、仕事、育児、料理、洗濯、掃除まで休みなく働き続けている。精神的には女性のほうが強い」
このように筋を通しても、たしかにそうだと、納得できます。
相手を納得させる文章を書けるかです。
書くときには、説得力が必要です。
ある程度、大人になると「世の中は矛盾だらけ」という事実に気づきます。
ときどき、自分の考えが絶対だと思っている人がいますが、答えはありません。
作家は、あるときに、これに気づくのです。
書けるようになります。
「答えは無限にあり、答えは1つもない」とわかれば、どんどん書けてしまいます。
あらゆることは、見方によって、善にも悪にもなります。
正しくも、誤りにもなります。
大切なことは、どう納得させるかの「説得力」です。