執筆者:水口貴博

魅力的な文章を書く30の方法

  • 書きたいところから、
    書けばいい。
魅力的な文章を書く30の方法

書きたいところから、書けばいい。

文章を書き始めるときには、書きたいところから書き始めるとうまくいきます。
「本を書きたいのですが……」という人に限って、まだ何も書いていません。
文章を書くというと、企画して、骨組みを考え、きれいに順番よく書かないといけないと思われがちです。

自分らしい文章を書くためには、力みすぎないことが大切。

ときどき「どうすれば上手な文章が書けますか」と質問されることがあります。
私は「あまり、力を入れないほうがいいですよ」と答えることにしています。
多くの人が、文章を書くとき、力が入りすぎています。

フォントで、文章のイメージが決まる。

フォント(字の形)は、人間の心に影響を与えます。
たとえば、明朝体みんちょうたいというフォントは、真面目な話をするときによく使われます。
「今日は、お日柄もよく、わざわざ遠いところからお越しいただきまして、誠にありがとうございます」

真っ白な分厚めの紙を使うと、文章の評価が上がる。

たわいないことだと思って、みんな手を抜きがちなのは「紙」です。
文章を書くからには、最終的には、紙に印刷します。
ここで、紙に手を抜かないでほしいです。

一度にたくさん話すのではなく、1項目につき1つだけに絞ると、読み手は理解しやすくなる。

人間、一度にたくさんのことは覚えられません。
たくさんのことを言われても、頭の中が混乱して、整理できません。
読み手に、考えを整理する余裕を与える文章にすることが大切です。

一気に書ききる「短期集中」のほうが、質が上がる。

書くときには、集中して書くと、よい作品が出来上がります。
集中して書くと、一気に書ききることになります。
一気に書ききることで、余分な雑音が混じらず、よい文章が出来上がるのです。

たくさんの色を使いすぎると、どこが大切なのか、読み手が混乱する。

色は、使いすぎないようにしましょう。
使いすぎると、どこが本当に大切なのかわからなくなります。
私が学生のころ、教科書に大切なところだといって、蛍光ペンで線を引く友人がいました。

長い1文は、お説教になってしまう。
短い1文は、名文になる。

1つの文章は、たくさんの1文1文から成り立っています。
1文は、短くするほうがもちろんわかりやすくなります。
できるだけたくさん言いたいからとはいえ、接続詞を使って、文と文をつなげている長い1文を見かけます。

横書きは、横書きだけに統一する。

縦書きなのか、横書きなのか、はっきりさせることが大切です。
1ページに縦で書かれた文章と、横で書かれた文章が混同しているページはとても読みにくいです。
タイトルを縦にしたり、文を横にしたりしているページを見かけます。

人生経験の奥深さが、文章の奥深さになっていく。

人生経験と文章力は、深く関係しています。
人生経験が深ければ深いほど、より深い文章が書けます。
深い文章を書ける人は、人一倍経験のある人です。

太字がない本のほうが、実は学びが深くなる。

本文の中で大切なところは、親切に書き手が太字で書いてくれています。
書き手は、太字のほうが大切なところがわかりやすいと思っているようです。
もちろん受験勉強のような参考書なら、太字にするのはわかります。

抽象的なエピソードは、わかりにくい。
具体的なエピソードが、面白い。

文章は、誰でも書けます。
誰でも書けるから、誰でも書けるような文章は、ありきたりで面白みがありません。
ここで、普通の文章と差をつけるための、簡単な方法があります。

夜書いた文章を、朝、冷静になって読んで意味が通るなら、大丈夫。

書くという作業には、面白い現象があります。
夜書いた文章は、自分らしくない文章になってしまうことです。
夜に書くと、興奮作用があり、勢いのある文章になります。

書き手の波長と同じ読者が集まる。
読み手の波長は、一致する。

読んでもらいたい人を、選ぶ方法があります。
優しい人に読んでもらいたければ、優しい言葉遣いで書きましょう。
乱暴な人に読んでもらいたければ、乱暴な言葉遣いで書きましょう。

「括弧」を使うと、読みやすくて理解しやすくなる。

先日、私の校正担当者から「適度に括弧があって、読みやすいですよ」という、お褒めの言葉をいただきました。
たしかに私は、大切なところは「括弧」で強調しています。
括弧は、額縁です。

口で言えないことは、文字にして伝えると、うまくいく。

文章の魅力的な力の1つに「口では言えないことが言える」ということです。
たとえば、自分の両親に「育ててくれてありがとう」とは、恥ずかしくてなかなか目の前では言えないものです。
どうしても伝えたいのに、口では恥ずかしくてどうしても言えない時も、やはりあります。

メールには、縁もゆかりもない人同士を引き付ける力がある。

人は、相手からプライベートを打ち明けられると、その人に好感を持つ性質があります。
プライベートを話してくれると、自分はそれだけの信用があるのだなと思います。
相手が思い切って話してくれると、こちらも話しやすくなるのです。

悪口をやめて、褒める文章にすることで、明るい文章が出来上がる。

本屋で雑誌を見ていると、他人の悪口をネタにした内容のものをよく見かけます。
「浮気発覚、別居状態、離婚、高額の慰謝料、裁判」などです。
人の不幸は甘い蜜と言われます。

表現方法は、文章だけでない。
音楽、演技、絵画、形でも、立派な表現ができる。

先日、本屋ですてきな本を見つけました。
かわいい挿絵を挟んだ本です。
挿絵は、すべて著者本人が書いていました。

作家になりたいという「夢」があるなら、頼まれる前に書いている。

本を書きたい人には、2種類います。
(1)頼まれてから、書き始める人
(2)頼まれる前から、書き始めている人

キャッチフレーズがあるだけで、たくさんの人が引き寄せられていく。

「キャッチフレーズ(Catch Phrase)」という言葉があります。
「つかむ言葉」という意味です。
何をつかむのかというと、人の心です。

「書くこと」は「自分を発見すること」だ。

「自分って何?」と思うとき、自分を発見する、とっておきのコツがあります。
「書いてみること」です。
書く内容は、何でもかまいません。

「新しさ」が、文章の魅力になる。

魅力的な文章を書くには「新しさ」が必要です。
「新しさ」は、今まで誰も考えなかったアイデアから生まれてきます。
その昔、持って歩ける電話なんて、誰も考えませんでした。

「アイデア」は、大当たりの宝くじ。
ふと浮かんだアイデアで、魅力を表現できる。

魅力的な文章は「新しさ」から生まれてきます。
では、その「新しさ」は、どこで生まれてくるのでしょうか。
「新しさ」は「アイデア」から、生まれて湧き出てきます。

わくわくさせる「演出」を、するだけでいい。

読み手に、わくわくしてもらうために、文章の中に「演出」を仕込んでみましょう。
演出は、色であったり、文字の大きさであったり、形であったりします。
私は先日、ブックカバーが透明色のおしゃれな本を見つけました。

量をこなせば、夢が叶う。

夢を叶えるコツは「量をこなすこと」です。
夢を叶えている人は、決まって、すごい量をこなしています。
映画監督になっている人は、たくさんの映画を見てきています。

読者を励ますフレーズがあれば、明るい締めくくりができる。

私は、執筆する文章のポリシーがあります。
文章の最後には「行動につなげる一言」を必ずつけることです。
言いたいことを書くだけ書いて、終わっている文章は、味気ないです。

気持ちを共有できる文章を書くと、読者のストレスが軽くなる。

読者は、自分の考えを共有できる言葉を探しています。
「自分が考えていることは、自分だけが考えている変な考えなのかな」と、不安になっています。
会社でのストレスを話したいのに、自分だけが感じているだけなのか不安なときがあります。

物事の善悪や成否は、説得力によって、決まる。
一番大切なのは、説得力だ。

文章を書くときには、自分の主張があります。
小論文では、自分の主張を持つことが大切です。
正しいか間違っているかを左右する、最大のポイントがあります。

書き方は、自分で作る。
自分が作る書き方こそ、自分らしい書き方。

最後に大切なことは、マニュアルです。
本屋に行けば「上手な文章を書く方法」「正しい文章」といった内容の本が、数多く並んでいます。
たしかに上手な文章の書き方はあります。

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