執筆者:水口貴博

部下を叱る30の方法

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お説教は、短いほどためになる。

お説教は、短いほどためになる。 | 部下を叱る30の方法

学生時代思い出すお説教は、日が暮れるまで先生から叱られた経験です。

小学6年生のころのある日の放課後です。

みんな「さようなら」と下校しているのに、私はずっと叱られていたことがありました。

もちろん私が悪いことをしているから、叱られているのは仕方ない。

叱られるのは仕方ないにしても、異様に長いです。

先生に付きっきりで、1時間以上ずっとお説教をされたことがありました。

当時は「だらだら長いなあ」と思ってばかりでした。

その出来事があってから、その先生に苦手意識ができて、近づきにくくなりました。

その先生とは、小学校を卒業するまで一言も会話を交わすことはありませんでした。

「また叱られるのは嫌だ」

叱っている先生は、生徒のことを思っていたのでしょう。

それはわかりますが、やはりあまりにだらだら長すぎるのもよくありません。

「もう長いお説教はごめんだ」と思ってしまいます。

そういうトラウマのような印象が深く残り続けます。

叱る側は、一度で済ませたい気持ちがあります。

同じことを二度としてほしくない気持ちも強いのでしょう。

そうした気持ちが込められているため、お説教はついだらだら長くなってしまいがちです。

これはなかなか本人が気づけない。

だからこそ注意ポイントです。

だらだら長いお説教は、決まって失敗します。

相手には「だらだら長いなあ」という印象しか残りません。

さて、一方で気持ちのよいお説教もありました。

先ほどと逆のパターンで「短いお説教」です。

間違った部分だけを指摘して、さっと終わりです。

ほんの数秒。

「え、これだけ」と思います。

叱られるのは誰でも嫌ですね。

おそらく先生は、生徒に嫌な気分をさせないために工夫をしてくれたのでしょう。

そういうのは不思議と生徒に伝わります。

先生が生徒のためを思って指摘してくれ、なおかつ気分を害さないように短くしてくれた感謝は嬉しく思います。

そうした先生のケアにも答えたい気持ちが強くなり、前向きに考えられるようになります。

お説教は、短いほどためになります。

同じことを何度も繰り返し言ったり、だらだら叱り続けたりしないことです。

叱ることは最小限にしましょう。

部下を叱る方法(9)
  • 長丁場のお説教は、やめる。
指摘がいくつかあるときは、最初に指摘数を伝え、短く絞る。

部下を叱る30の方法

  1. 叱られ上手は、叱り上手になる。
  2. 相手を落ち込ませるような叱り方は失格。
  3. ミスをしたタイミングで指摘するのが、一番いい。
  4. 大勢の前で叱らない。
  5. 叱るときには、2人になるのがベスト。
  6. 自分の都合で叱らない。
  7. 感情的に叱らない。
  8. 叱る前に、状況をよく確かめる。
  9. お説教は、短いほどためになる。
  10. 指摘がいくつかあるときは、最初に指摘数を伝え、短く絞る。
  11. いつまでも過去の過ちを言い続けない。
    昔の話を引っ張り出さない。
  12. 人格を否定する言葉は使わない。
  13. 厳しい指摘は反抗される。
    明るい指摘は受け入れてもらえる。
  14. 叱るときは、腰を低く、丁寧な態度になる。
  15. 他人と比べて、叱らない。
  16. 追い込むように叱ると、泣けてくる。
  17. 肯定から始まると、後に続く言葉も受け入れやすくなる。
  18. クッション言葉を使えば、上手に叱ることができる。
  19. 理由のない指摘では、部下は納得しない。
  20. 一瞬で終わらせるお説教は、注射と同じ。
    痛い時間が短いからこそ、よく効く。
  21. 「こら!」という言葉を使わないように心がける。
  22. ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。
  23. 管理者を通して指摘をすれば、上司と部下の関係にひびを入れなくて済む。
  24. 手紙やメールを使えば、落ち着いてメッセージを伝えやすい。
  25. 「しなさい」より「しましょう」。
  26. 叱るときこそ、部下に発言をさせる。
    部下を叱るとき、一方的に上司から部下へと叱っていませんか。
  27. 「絶対に間違えるな。
    失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張する。
  28. 最もミスが少なくなるのは、リラックスしているときだ。
  29. にこにこしながら口にする言葉は、ありがたく聞こえてくる。
  30. どんなに感情的になっても、暴力だけはふるわない。

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