執筆者:水口貴博

子どもの「外遊び」のすすめ

16

免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。

免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。 | 子どもの「外遊び」のすすめ

外で遊んでいると、自然と汚い物に触れる機会も増えます。

子どもが外で遊ぶと言えば、やはり公園で遊ぶことが多くなるでしょう。

公園にある遊具と言えば、鉄棒・滑り台・ジャングルジムなどがあります。

たとえば、子どもが公園の鉄棒で遊ぶとしましょう。

あらためて考えてみましょう。

何年も前からある公園なら、その鉄棒は数多くの人たちが利用しているはずです。

鉄棒というくらいですから、手に強く力を入れて握ることが多いはず。

つまり、多くの人の手垢がしっかり付着しているということです。

誰が、どんな手の状態で握っているのか、わかりません。

鉄棒とはいえ、かなり汚れているはずです。

こういう話をすると「これからは子どもを公園で遊ばせるのはやめよう」という親御さんがいます。

しかし、それを言い始めると、何もできなくなります。

ジャングルジムも、滑り台も同じです。

電車の手すりも、階段の手すりも触ることができなくなります。

極端に言えば、レストランに入ったとき、メニューには多くの人の手垢がついているはずですから、注文すらできなくなります。

汚いものには触れないように心がけていると、何も触れることができなくなります。

そもそも汚い物に触れるのが悪いこととは限りません。

「汚い物に触れるのは悪いこと」という先入観を取り払うことです。

汚れに触れるからこそ、体の中に悪い菌が入ってきたとしても、菌を退治しようとする免疫力が高められます。

免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。

ドアや手すりなど社会便宜上で利用する物に対しては、許容できる心持ちがちょうどいい。

「汚い物に触らなければいけない現実は受け入れ、触った後にきちんと手を洗う」

この習慣のほうが重要です。

この習慣をつけておけば、免疫力を高めつつ、清潔感を保つことができるのです。

子どもの「外遊び」のすすめ(16)
  • 公園で遊んだ後は、手を洗う。
部屋の中は、刺激が限定されやすい。

子どもの「外遊び」のすすめ

  1. 外遊びには、子どもが生きる力に必要な要素がすべて備わっている。
  2. 家の中のゲームだけでは、生きる力を身につけられない。
  3. 自信は、外で遊んでいれば、自然と身につく。
  4. とりあえず行動していれば、自然と話は広がっていく。
  5. 現代は豊かだ。
    それをわからせるには、野外キャンプの体験が一番。
  6. 進んだ現代社会だからこそ、昔の遊びを教える価値がある。
  7. 力任せでは勝てない昔のゲームでは、慣れた大人ほど有利になれる。
  8. 四季のある日本だからこそ、特に外遊びはおすすめ。
  9. なぜ大都会ほど、大自然があるのか。
  10. 自然の音を聞くと、子どもは強く育つ。
  11. 旅行が難しいなら、せめて日帰りのピクニックくらいならできるはず。
  12. 犬と散歩しているときに、口喧嘩は起こらない。
  13. 畑仕事を手伝わせると、不思議と味覚が研ぎ澄まされる。
  14. スポーツは、体の運動だけではない。
    脳の運動でもあった!
  15. 団体競技はどれも、頭を鍛える頭脳ゲームだ。
  16. 免疫力を高めるためには、清潔すぎてはいけない。
  17. 部屋の中は、刺激が限定されやすい。
  18. 「スクリーンで見る立体」と「現実世界の立体」は、脳には似て非なるもの。
  19. どんなにテレビが進化しても、現実世界の刺激にはかなわない。
  20. エアコンは、人の生活を便利にする。
    しかし、頼りすぎると不便にする。
  21. 国語の読解力は、経験が豊富なほどイメージが鮮やかになる。
  22. 体験を優先すると、必ず後で追い上げる力になる。
  23. 立って歩けるようになれば、外遊びをしてもいい時期。
  24. 子どもが泥んこになって帰ってくるのは、一生懸命に外で遊んで帰ってきた証拠。
  25. 真っ暗闇だからこそ、あらゆる怪物をイメージさせられる。
  26. なぜ、ウォーキングマシンは、続きにくいのか。
  27. 門限があるから、遊びの密度が濃くなる。
  28. 私たちには「新しい刺激に触れて、自分の領域を広げたい」という野心と冒険心が眠っている。
  29. 子どもの持ち物に名前さえ書いておけば、迷子になっても怖くない。
  30. 成長のために「遠くへ行ってみたい」と思う子ども。
    安全のために「遠くへ行くな」という親。
    この矛盾が問題だ。

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