執筆者:水口貴博

言葉遣いがうまくなる30のマナー

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故事・ことわざ・四字熟語を、会話に含めすぎない。

故事・ことわざ・四字熟語を、会話に含めすぎない。 | 言葉遣いがうまくなる30のマナー

故事・ことわざ・四字熟語を、どのくらい知っていますか。

会話の中で、故事・ことわざ・四字熟語を頻繁に使う人は、要注意です。

「『石橋を叩いて渡る』という言葉があるでしょう」

「お互いに『以心伝心』で、わかり合えるよね」

口にした自分としては「よし。うまいことが言えたぞ。知的な面もアピールできた」と思います。

「昔から言われている言葉だから、間違いないことだよ」と伝えようとする気持ちはわかります。

気持ちはわかりますが、言われる側は、あまりいい印象を受けません。

理由は、3つあります。

(理由1)
相手が知らない言葉かもしれないため

故事・ことわざ・四字熟語の意味を、必ずしも相手が知っているとは限りません。

相手が知らない表現が出てくると、会話をよく理解できず、返事に困ります。

(理由2)
印象が悪くなりやすいため

権威のある言葉を使うことで、自分の知的さをアピールしようとする様子に見られることがあります。

「こんな難しい言葉を知っているんだぞ」と、遠回しに言われているような気がすると、嫌な感じがします。

言葉の意味を知らない相手は、高圧的な態度のため「意味がわからない」と言いにくくなります。

(理由3)
説得力が低くなりやすいため

権威のある言葉のほうが、説得力が増すような気がしますが、実際は逆です。

故事・ことわざ・四字熟語は、自分の言葉ではありません。

他人の言葉を借りて説得することになるため、かえって説得力は小さくなるのです。

以上、3つの理由から、故事・ことわざ・四字熟語の多用は、おすすめしません。

もちろん適度に使う分にはいいのですが、できるだけ多用は控えます。

故事・ことわざ・四字熟語を会話に含めるなら、わかりやすく自分の言葉で言い換えましょう。

きちんと自分の言葉で伝えようとするほうが、本人がそう思って口にしていることがわかります。

結果として、好感が得られ、説得力も増すのです。

言葉遣いがうまくなるマナー(27)
  • 故事・ことわざ・四字熟語を会話に含めるなら、わかりやすく自分の言葉で言い換える。
無意識のうちに「調子が悪い」という答え方をしていませんか。

言葉遣いがうまくなる30のマナー

  1. メールの送信ボックスは、自分の言葉遣いを客観視できるところ。
  2. 初対面は、試験と同じ。
    うっかり名前を忘れると、0点になる。
  3. 発する言葉が美しければ、戻ってくる言葉も美しくなる。
  4. 嫌いな人の話題を、わざわざ自分から出す必要はない。
  5. 「考え方が間違っている」と言われたときの対処方法。
  6. 「No」より「No, Thank you.」。
  7. 会話はキャッチボールと同じ。
    投げるときより、受け止めるときが、気持ちいい。
  8. 努力を侮辱されたときに、言い返したい魔法の言葉。
  9. 口論の真の勝ち方とは、言い負かすことではない。
    相手から共感や同意を得ること。
  10. 人間関係は、出前と同じ。
    好かれるのは、せかす人より、気遣う人。
  11. 「ありがとうございます」という場面の多くは「いつもありがとうございます」とも言える。
  12. 「いつもありがとうございます」と言われたとき、どう返事をしていますか。
  13. 肯定の言葉ほど、強く言う。
    否定の言葉ほど、優しく言う。
  14. 誤解されたとき、慌てないことが大切。
  15. お礼を言う場面で「すみません」と謝っていませんか。
  16. 疑う言葉が口癖になっていると、人間関係で損をする。
  17. 命令のアドバイスは、嫌われる。
    提案のアドバイスが、愛される。
  18. 自慢話をたっぷり聞くと、人付き合いの運が向上する。
  19. 長話でも、相手をいらいらさせない工夫。
  20. 難しい話が登場したときのうまい返事の仕方。
  21. 興味をそそる前置きをすると、楽しく話を聞いてもらえるようになる。
  22. 1回目のお礼は、社交辞令。
    2回目からが、本当のお礼。
  23. 名前を紹介されたときの、ベストの返事。
  24. 会話で勝とうとする人は、相手から嫌がられる。
  25. 名前を聞かれたとき、名字だけで答えていませんか。
  26. 気の利いた言葉を考えないほうが、気の利いた言葉が出る。
  27. 故事・ことわざ・四字熟語を、会話に含めすぎない。
  28. 無意識のうちに「調子が悪い」という答え方をしていませんか。
  29. 「聞かせてもらう態度」があれば、言葉遣いは自然とよくなる。
  30. ぼけっと口を開けたまま聞いているだけでは、耳から入った話が、口から抜けていく。

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