執筆者:水口貴博

受験テクニックを磨く30の方法

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焦りを味方に変えてしまう人が、合格をつかみ取る。

焦りを味方に変えてしまう人が、合格をつかみ取る。 | 受験テクニックを磨く30の方法

人間の脳の中で、記憶する場所には2種類の場所があります。

「短期記憶をする海馬かいば(かいば)」と「長期記憶をする側頭葉(そくとうよう)」です。

人間がまず覚え始めたことは、いきなり長期記憶ができる「側頭葉」ではなく、短期記憶をする「海馬」という場所に保存されます。

海馬は、短期記憶をする場所ですが、もう1つ重要な役目を果たしています。

「情報の重要性を判断する」という役目です。

人間の脳はよくできています。

生命に関わる情報は重要と判断して長期的に記憶する一方、生命に関係のない記憶は不要だから忘れようとします。

長く生き永らえるための脳のシステムです。

繰り返し入ってくる情報は「何度も入ってくるから重要に違いない」と判断して、長期記憶をする「側頭葉」へ記憶を移動させます。

復習すれば記憶が強化されるのは、そういう理由だからです。

しかし、例外があります。

無条件にいきなり側頭葉へ記憶を移動させる方法があります。

それこそ「強い感情を伴った記憶」です。

強い怒りや悲しみが伴った記憶は、短期記憶の海馬を素通りして、いきなり長期記憶の側頭葉に保存されます。

なぜそうなるのかというと、脳が「生命に関わる情報だ」と即座に判断するからです。

強い感情が伴っていることは、生命に関わることに違いないと脳が判断し、いきなり長期記憶をさせようとします。

先生に叱られた記憶は、一度しか経験していないにもかかわらず、長く記憶に残り続けます。

失敗した経験ほど記憶に残る理由も同じです。

強い感情が伴っているからです。

受験勉強にも、この強い感情を伴う方法があればいいですが、なかなか難しい。

しかし、強い感情が伴うある時期があります。

それが「受験前の焦り」です。

「受験日まであと1カ月しかない! 時間がない!」

受験前には短い残り時間に焦りが出ます。

焦ったら勉強することです。

ぎりぎりの状態でする勉強はよく覚えます。

徹夜をすると、わずかな勉強時間で覚えられるのは、焦りがあるからです。

脳が活性化され、記憶力がアップしています。

焦ったらどうするのかというと、勉強です。

焦りながらする勉強は、普段の何倍もよく覚えられます。

受験テクニックを磨く方法(9)
  • 試験前の焦りを、勉強に応用する。
なぜ、試験には必ず超難問が出題されるのか。

受験テクニックを磨く30の方法

  1. 人間は、丸暗記が弱く、ストーリー性のある記憶に強い。
  2. ノート魔にならない。
  3. 勉強の大変さは、後になるほど軽くなる。
  4. 休憩を取って、長丁場の勉強に備える。
  5. 文系と理系の勉強を交互にすれば、疲れにくくなる。
  6. 漫画・映画・科学系番組は、停滞していた勉強が進み始めるきっかけになる。
  7. 調子に乗っているときには、あえて休憩を取らないほうがいい。
  8. どんなに記憶力の弱い人でも、強化できる方法がある。
  9. 焦りを味方に変えてしまう人が、合格をつかみ取る。
  10. なぜ、試験には必ず超難問が出題されるのか。
  11. 「勉強時間」より「勉強量」のほうが大切。
  12. 短時間で勉強量をこなすためのキーワードは、集中力。
  13. 勉強前には、食べすぎない。
  14. 友人とのネットワークは、強力な支えになる。
  15. 受験は、恥を捨てることから始まる。
  16. 勉強とはインプット作業。
    試験とはアウトプット作業。
  17. 誘惑を、一切禁止する必要はない。
    ご褒美や息抜きとして活用すればいい。
  18. 学力が十分なら、先に進むより、復習に時間を充てたほうがいい。
  19. 基本問題に強くなると、学力全体が底上げされる。
  20. すべてがうまくいかないときには、悪あがきより、十分な睡眠を。
  21. 3分考えてもわからない問題は、すぐ回答を見てもいい。
  22. 受験には、超えなければいけない2つの合格ラインがある。
  23. 伸びる科目は、伸ばせるだけ伸ばして、点数を稼ぐ。
  24. 音読を制する者は、受験を制する。
  25. 感情を込めて音読すれば、無味乾燥な勉強さえ、感動的になる。
  26. 音読だけで満足しない。
    特に覚えておきたい一文やキーワードは、紙に書く。
  27. 「一度書いたら、一生消えない、忘れない」そう思わせてくれるのが、ボールペンの素晴らしい点。
  28. わかりやすい参考書があっても、勉強の中心はあくまで教科書である。
  29. 時計は、時間の貴重さを教えてくれる先生である。
  30. なぜ大人たちは「今のうちに勉強しろ」と言うのか。

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