スピード人間は、過去を振り返りません。
過去を振り返る必要性は、失敗から学びを得るときのみです。
過去の失敗を振り返り「あのとき、こうすればよかった」と思う点を見つけ、反省をして、次に生かします。
学びを得るために過去を振り返るのは、人間だからこそできる、素晴らしい能力です。
しかし、学びを得る以外に、過去を振り返る必要性はありません。
後悔したり、過去を引きずったり、悔やんだり、懐かしい気持ちに浸ることなど、どれも無駄です。
過去を後悔したり、引きずったり、悔やんだりしても、過去に戻れるわけでも、変更できるわけでもありません。
あるのは、今の元気がさらに奪われてしまうという非生産的な行動です。
懐かしいと思う気持ちも同じです。
過去を振り返り、いくら懐かしい気持ちになっても、その時間に戻れるわけではありません。
懐かしい気持ちに浸って「あのときは楽しかったな」と思うだけです。
「あのときは楽しかったな」という言葉は、つまり「今は楽しくない」と言っているようなものです。
今が充実していれば「あのときは楽しかったな」ではなく「あのときも楽しかったな」と言うはずですね。
今が充実できていれば、そもそも過去を振り返ることもありません。
「懐かしい」という気持ちは、心のどこかで「あのときに戻りたい」という願望と、現在に対する否定感情を表現しています。
そもそも、今と過去を比べることがいけません。
年齢も環境も人間関係も違うのですから、違っていて当然です。
時と場合によっては、今より過去のほうが楽しいと感じることもあるでしょう。
あって当然ですから、そのままほうっておいていい。
どんなに過去のほうがよかったと思っても戻りません。
いくら過去を後悔して、いくら懐かしいと思っても、仕方ないということです。
今だけに集中して、過去にまけないくらい素晴らしい今を作ろうと行動している人のほうが、よほど生産的です。
この違いをきちんと区別しましょう。
知性的な人は、必ず今だけに集中します。
頭がいいので、学びを得る以外、過去を振り返っても仕方ないとわかっています。
今だけに集中して、もっと楽しい今を作るためにパワーを一点に絞っているのです。