私が中学生のころ、高市君という失敗にくじけない友人がいました。
体育の時間にあった、サッカーの試合でのことです。
大事な球を高市君が受け、仲間へのパスを、うっかり敵へ回してしまいました。
もちろんミスですから、先生から指導を受けたり、仲間からは冷たい目で見られたりします。
しかし、高市君は、サッカーでミスをして落ち込んでも、次の瞬間には立ち直っている人でした。
先生に叱られて落ち込んでも、授業が終われば、立ち直ります。
普通の人なら、叱られれば引きずってしまい、行動しないようになるでしょう。
「また失敗するかもしれないから、おとなしくしておこう」
こう考えるのが、普通の心理です。
しかし、高市君は、失敗をすればするほど、行動するような人でした。
間違えて叱られると、次は間違えないようにトライします。
ミスをして落ち込んでも、次はミスをしないように挑戦します。
当然、高市君はスポーツがぐんぐん伸びていきました。
学校では「失敗をしないように」と教えられます。
しかし、本当に大切なことは、失敗をしないことではありません。
失敗をしてもくじけないことが、本当に大切なことなのです。
ボクシングでも本当に強い人は、倒れない人ではなく、倒れても起き上がる人だといわれています。
いくら倒れても、何度も起き上がる人には、粘り強さを感じます。
倒れても起き上がることができる人は、もう一度チャンスをつかめる人です。
何度でも起き上がれる人は、何度でもチャンスをつかめる人です。
高市君はサッカーがうまくなったのは、先天的な才能ではなく、単純に諦めなかったからです。
失敗にくじけない習慣を持っていたからです。
社会では、上司に怒鳴られたり、恥ずかしい失敗をたくさんしたりする機会が出てきます。
「学校では失敗しないように」と教わりますが、本当に大切なことは「失敗してもくじけない」ということなのです。