執筆者:水口貴博

和食の30の食事マナー

9

懐紙は、普段はメモ用紙として持参すれば、邪魔にはならない。

懐紙は、普段はメモ用紙として持参すれば、邪魔にはならない。 | 和食の30の食事マナー

「日本料理は、懐紙を持参するのが面倒」

これは、私が率直に思った感想です。

日本料理ではナプキンは登場しません。

基本的にハンカチは使いませんから、懐紙と呼ばれる和紙を別途持参していく必要があります。

最初は、これが面倒でたまらなかったのを覚えています。

ところが、実際持参し始めると、意外な使い方に気づきました。

懐紙は、メモ用紙に使えるのです。

社会人なら、仕事の都合で常に「メモ用紙」を持参していることでしょう。

懐紙をメモ用紙として使えばいいのです。

ビジネスの場ではメモ用紙、食事の際は懐紙。

こうすれば、懐紙1つが、二役を演じることになります。

紙ですから、場所は取りませんし重くもありません。

仕事の関係で、急に日本料理店に行くことになっても慌てることがなくなるのです。

余談ですが、仕事中に懐紙でメモを取っていると、相手から驚かれることがあります。

懐紙を持っていることは、和食のマナーも知っていると連想されやすいためでしょう。

また懐紙は繊細ですから、懐紙をメモ用紙として使うと、丁寧な印象を受けることが多いようです。

本来の懐紙の使い方とは異なりますが、そういう使い方もあるということです。

使い始めてから気づいた、思わぬ効果です。

和食の食事マナー(9)
  • 懐紙をメモ用紙として、普段から持参するようにする。
割り箸は、左右に割るのではなく、上下に割るのが正しいマナー。

和食の30の食事マナー

  1. 日本人の手先の器用さは、箸の文化が作った。
  2. 和食マナーの最大のポイントは、箸の使い方。
  3. 箸先は、その人の育ちや教養が垣間見える部分。
  4. 箸使いの美しさは、箸を取るときから始まっている。
  5. 前かがみになり、自分から食器に口を近づけて食べるのはマナー違反。
  6. 和食では、原則としてハンカチは使わず、懐紙を使う。
  7. 懐紙を使う、主な3つの場面。
  8. せっかく汚れを隠すために懐紙を使っても、その場に残していくのは意味がない。
  9. 懐紙は、普段はメモ用紙として持参すれば、邪魔にはならない。
  10. 割り箸は、左右に割るのではなく、上下に割るのが正しいマナー。
  11. 「食べ方は個人の自由」自由と思えるこの言葉には、思わぬ危険が含まれている。
  12. 季節によって会席料理のメニューが変わる大切な意味とは。
  13. 蓋付きの吸い物は、できるだけ早めに手をつける。
  14. 吸い物の蓋が開けにくいときの上手な対処法。
  15. 吸い物の貝が問題だ。
    さて、どう食べる?
  16. 吸い物の蓋を開けたときの水滴。
    あなたはどうしていますか。
  17. ご飯を口に含めたまま香の物を食べるのはいいが、吸い物をいただくのはよくない。
  18. 器を移動させるときの2つの注意点。
  19. 取った蓋は、盆の外に置くのがポイント。
  20. 箸を持ったまま、片手で器を持ち上げない。
  21. 手に持ってよい器。
    手に持ってはいけない器。
  22. 魚の骨の間から、身をつままない。
  23. 刺し身を食べるとき、醤油にわさびを混ぜるのは、控えたい食べ方。
  24. ご飯をおかわりするときのマナー。
  25. 食事中、箸を休めるときのルール。
  26. 使い終わった箸のマナー。
  27. つまようじは、使い方に注意が必要。
  28. 食べ終わった器を重ねない。
  29. おしぼりは、手を拭くためのもの。
    それ以外の用途で使わない。
  30. 食べ残しは、料理人への改善のメッセージになる。

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