執筆者:水口貴博

子どもの才能を伸ばす30の習慣

10

夢中になって本を読むとき、その先に才能の可能性があるのかもしれない。

夢中になって本を読むとき、その先に才能の可能性があるのかもしれない。 | 子どもの才能を伸ばす30の習慣

幼いころ、家族全員で動物園に出かけたことがありました。

実家から車で40分ほどのところにある、愛媛県の砥部とべ動物園です。

この砥部動物園には、普通の動物園と少し違った特徴があります。

園内には、子どもたちが自由に本を見たり読んだりできる「読書スペース」があります。

子ども向けの多種多様な本が置いてありました。

私はそのスペースを見つけ、何気なく本を見ていると、気になる1冊を見つけました。

ほんの数ページですが、ぱらぱらめくっただけで、何か夢中にさせるものがありました。

その私が夢中になった本こそ「エジソンの伝記」です。

はるか昔、エジソンなる偉大な人物がいて、素晴らしい功績を残したのだと知り、感動しました。

「光る電球はエジソンが作ったのか」

どきどきしながら本を読んでいました。

なぜ面白いのか、自分でもそれはまだはっきりしない感覚です。

たしかなことは、吸い込まれるように読んでしまったということです。

動物を見るために、動物園に来ました。

にもかかわらず、私はそのほとんどの時間を、読書に費やしてしまいました。

親としてはわざわざ週末に時間を作って、お金を払い、家族全員で動物園にきました。

決して本を読みに来たわけではありません。

せっかく来た動物園で、読書ばかりしていれば「動物園に来たんだから動物を見なさい」という小言も言いたかったことでしょう。

しかし、親はそっとしてくれました。

「そのへんで動物見てくるから、貴博はここで好きなだけ本を読んでいなさい」

家族全員、反対する者はいませんでした。

特に寛大だったのは祖父でした。

「子どもが夢中になっている。何かその先に才能のような物があるのではないか」

長く生きている祖父だからこそ、直感のようなものが働いたのでしょう。

驚くべきことに動物園からの帰りに本屋に寄って、その本を買ってくれました。

もちろん家に帰ってからも夢中になって読みました。

そのときのことは、今でもはっきり覚えています。

今になって思えば、そのときの時間が自分の基本的な一部を作ったのはたしかです。

何か作ったり、創造したりする点に、自分の才能のようなものを見いだしていたのです。

子どもの才能を伸ばす習慣(10)
  • 子どもが夢中になっていることを、邪魔しないようにする。
成功した親に育てられると、子どもも成功しやすくなる。

子どもの才能を伸ばす30の習慣

  1. 子どもの才能発揮は、マズローの5段階欲求説が鍵を握る。
  2. 愛情の注がれた子どもは、自然と才能を伸ばしていく。
  3. 子どもに約束を守りなさいという前に、親がきちんと約束を守る。
  4. 子どもに完璧を求めすぎない。
  5. 子どもの悪いところではなく、いいところを見る。
  6. 子どもの成長を喜ぶと、子どもの伸びはもっとよくなる。
  7. 子育て上手な親は演技がうまい。
    見ていないふりをしながら、しっかり見る。
  8. 社会のルール・マナー・常識などの勉強を、すべて学校任せにしない。
  9. 子どもの「やってみたい」という言動を、親はできるだけ支える。
  10. 夢中になって本を読むとき、その先に才能の可能性があるのかもしれない。
  11. 成功した親に育てられると、子どもも成功しやすくなる。
  12. 単に否定するしつけで終わらせない。
    代替案を与えながらしつける。
  13. 子どもの見方や感じ方を、最大限尊重する。
  14. 子どもの才能を伸ばすとき、親はエジソンの母を見習うべし!
  15. さまざまな経験を積むことは、自分の向き・不向きを知るきっかけになる。
  16. 心より技能を重視すると、才能は伸び悩む。
  17. 何事も「楽しさ」から教えることが肝心。
  18. 特定分野で、親より秀でた子どもに嫉妬しない。
  19. 子どもの「旺盛な好奇心」を、学校の勉強以上に重視する。
  20. 失敗は、成功の対義語ではなく同義語であると、子どもに教えてあげる。
  21. 「やりたいことをやる」という教育方針を貫く。
  22. 親がプラス発想だと、子どももプラス発想になる。
  23. 子どもが親を理解するのではなく、親が子どもを理解してあげないといけない。
  24. 私たちの元をたどれば、同じ親にたどり着く。
  25. 短所があるから、子どもは伸びる。
  26. わが子はわが子。
    他人の子と比べる必要はない。
  27. 才能に制限時間を設けないほうが、伸びやすくなる。
  28. 子どもは、親が思いもしない方向へ育っていくもの。
  29. 勉強ができない分野があってもいい。
    大切なことは「得意分野」があること。
  30. 「学ぶ楽しさ」から「生かす楽しさ」へスイッチを促す。

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