執筆者:水口貴博

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

29

短期記憶に頼らない。

短期記憶に頼らない。 | ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

作業をするときに「人間の短期記憶は頼らない」という原則を守ってください。

「頭で覚えておこう」はやめることです。

「紙に書こう」「手順書に書き込んでおこう」が正解です。

頭で覚えると忘れます。

しかし、紙にボールペンで記録すれば、消えません。

これくらい大丈夫と思う単純な注意ほど、頭で覚えます。

「そのときになったら、そうしよう」と思います。

生半可な知識のある人ほど自分の能力を過信して、短期記憶に頼ろうとします。

しかし、実際そのときになれば、忘れていることでしょう。

人間の短期記憶は、短期しか持続しません。

ささいなことほど、紙に書きます。

注意や追加の手順は、頭で覚えるのではなく、紙に書きます。

手順書を使っていれば、その項番のところに直接ボールペンで書けばいい。

手順書を見て作業を進めているかぎり、忘れたり見落としたりすることはありません。

自信過剰にならないことです。

自分を過信しすぎる人ほど、交通事故を起こしやすいのと同じです。

短期記憶を使わない人ほど、プロなのです。

ヒューマンエラーを防ぐ方法(29)
  • 中途半端な短期記憶に頼った作業は、やめる。
「もし」で考える人ほど、未来が開ける。

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

  1. ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。
  2. 頭で覚えているささいなことほど、チェックシートを使って確かめる。
  3. 車の助手席に座る人には、確認者としての仕事がある。
  4. 指さし確認・声だし確認を癖にする。
  5. 改善すべきは、人ではなく、プロセス。
  6. 見間違いやすい数字や記号は「使わない」か「ふりがな」で対処する。
  7. キスをすれば、ヒューマンエラーがなくなる?
  8. 精度を求めた「ゆっくり」には、雑談がない。
  9. 集中しなくても、ミスをしないシステムを作る。
  10. きれい事を言う人が、一番きれいな行動をしなければならない。
  11. デジタルな作業を、わざわざ人間が行う必要はない。
  12. プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。
  13. ヒューマンエラーは「アナログ」で発生する。
  14. ミスをした人にペナルティーを与えない。
    反則した人にペナルティーを与える。
  15. 手順書・約束事は、ヒューマンエラー防止の第一歩。
  16. 他人のミスや失敗は、絶対、あなたのためになる。
  17. 恥ずかしさを捨てなければ、ヒューマンエラーを撲滅できない。
  18. わからないときには、質問する。
    わかったときには、言い換えた内容で質問をする。
  19. ヒヤリハットを見逃すな。
  20. 商用環境では、速度より精度を重視。
  21. 精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。
  22. 例外を1つも作らない。
  23. そもそも作業をしなければ、ヒューマンエラーが起こることもない。
  24. 「問題が発生したときの方法」より「問題を発生させない方法」を考える。
  25. ヒューマンエラーは、省略したときに起こる。
  26. 疲れてから休憩ではない。
    疲れる前に休憩をする。
  27. 作業中は、電話を取らない。
  28. デスクの上に、不要な物を置かない。
  29. 短期記憶に頼らない。
  30. 「もし」で考える人ほど、未来が開ける。

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