執筆者:水口貴博

自立できる子どもに育てる30の教育法

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子どもの長所は、好きなだけやらせるときに、大きくなる。

子どもの長所は、好きなだけやらせるときに、大きくなる。 | 自立できる子どもに育てる30の教育法

宿題や仕事には「これで終わり」という区切りがあります。

「ここまでやれば、終わり」「これができたら終わり」という区切りです。

しかし、子どもの勉強には「これで終わり」はありません。

「これで終わり」なんて表現を子どもに使ってしまうと、どんどん子どもの行動が小さくなります。

「これで終わり」という表現は、そもそも「やらされていること」に対して、使います。

学校の宿題では「10ページから20ページまで予習しなさい」といわれます。

仕事では「この仕事を、来週までに仕上げなさい」と、上司からの命令があります。

これらはすべて、やらされていることに対してです。

子どもの可能性をどんどん広げる育て方には「これで終わり」をしてはいけないのです。

子どもは、自分が好きなことは容赦なくどんどん自分から飛びついていきます。

飛びつくくらい好きな勉強は、底なしです。

すればするほど、好きになってしまい「これで終わり」がないのです。

唯一「これで終わり」と子どもが使うのは、学校の宿題くらいです。

やらされていることに対しては、すべて「これで終わり」という、消極的な答えになるのです。

「これで終わり」の教育を止めるだけで、子どもは積極的になります。

「これで終わり」という口癖をやめましょう。

「これで終わり」の代わりに「好きなだけやりなさい」にすればいいのです。

私の家庭では、いつも「好きなだけやりなさい」という教育を受けてきました。

私は昔から機械が大好きでしたから、父が仕事場からもってかえる部品を使って、いろいろやってみました。

回路を作ろうとしたり、分解してみたり、回路同士をつなげて電気を流してみたり、いろいろなことをやっていました。

しかし、母は「もうやめなさい」と言いませんでした。

代わりに母は「好きなだけやりなさい」と言ってくれました。

好きなだけやりなさいといわれると、心置きなく本当に好きなだけやってしまいます。

しかし、そのおかげで私は早くから機械系には慣れ親しむことができていました。

今、私はシステムエンジニアという、仕事に就いています。

子どものころにやってきた機械の延長をしている仕事です。

子どものころ、好きなだけやったおかげで得意になり、今ではそれで食べていくことができています。

「これで終わり」というのは、限定であるのに対し「好きなだけやりなさい」は無制限です。

特に自分の好きなことに「これで終わり」があると、悲しいものです。

好きなことに、終わりを設けてはいけません。

好きなことだからこそ、どんどん突き詰めるのです。

人には、長所と短所があります。

初めから、得意な長所があるのではありません。

人一倍、どんどん突き詰めていった結果、得意になって長所になるのです。

子どもの長所をどんどん伸ばしてあげるには「好きなだけやりなさい」と言えばいいのです。

自立できる子どもに育てる教育法(25)
  • 「好きなだけやりなさい」で、子どもの長所を伸ばしてあげる。
「何になりたいか」より「何がしたいのか」。

自立できる子どもに育てる30の教育法

  1. 子どもは、自分から自立していく。
  2. 勉強は、学校で学ぶ。
    感情は、家庭で学ぶ。
  3. 甘えさせてもいい。
    ただし、甘やかしてはならない。
  4. 「難しい」と答えると、子どもは自立できない。
    「簡単」と答えると、子どもは自立する。
  5. 子どもは、親の真似をする。
    自立した親からは、自立さえも真似をする。
  6. 「痛み」を経験することで、免疫ができる。
  7. 親が笑うと、子どもは安心する。
  8. 子どもの経験を、親が横取りをしない。
    自分のことは、自分でさせるだけでいい。
  9. 子どもに押し付ける親は、失敗する。
    子どもに任せる親が、慕われる。
  10. 「子どもを理解する親」が、愛される。
  11. 育て上手な親は、子どもと「つかず離れずの距離」を取る。
  12. 「ダメな子」と言うと、子どもがダメになる。
    「それでいいんだよ」と言うと、成長する。
  13. 親の口癖は、人生の教訓。
  14. 働く姿を見せると、子どもは自立できる。
  15. 自分の部屋を持つことで「管理能力」を養うことができる。
  16. 自立するために必要なのは、親離れより子離れ。
  17. 子どもにあえてお金を持たせることで、金銭感覚を磨かせることができる。
  18. 「叱る教育」ではなく「褒める教育」をする。
  19. 聞くは一時の恥。
    聞かぬは一生の恥。
  20. 大事な場面での沈黙が、子を育てる。
  21. 勝ち負けより、全力を出し切ったかどうかが大切。
  22. 「大丈夫」と言うだけで、子どもの可能性は広がっていく。
  23. 自分のことを教えてくれる一番の先生は、自分だ。
  24. 学生の仕事は「勉強」だ。
  25. 子どもの長所は、好きなだけやらせるときに、大きくなる。
  26. 「何になりたいか」より「何がしたいのか」。
  27. 家族旅行で、親の自立した姿を見せることができる。
  28. 「自問自答」できる人が、自立する。
  29. 「かわいい子には、旅をさせよ」
  30. 泣きたいときには、泣かせてあげよう。
    泣くことで、子どもは強くなる。

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