執筆者:水口貴博

不況を乗り切る経営者の30の心得

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大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。

大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

明るい父親・母親から育てられた子どもは、やはり元気になります。

子どもは、両親の顔色をうかがっているものです。

親の表情が暗いと「元気ないな」と思い、話しかけにくくなったり行動を控えたりしてしまいます。

しかし、親の表情が明るいと「元気がいいな」と思い、話しかけたり行動的になったりします。

家計が苦しくても「私の家庭は幸せでいっぱい」というそぶりを見せるのは、1つの教育です。

つらいときこそ、元気を装うプラス思考を、子どもは学びます。

元気になります。

子どもは敏感ですから、親の演技は、うすうす気づいています。

気づいていますが、前向きに生きていこうとする姿勢を、学びます。

子どものプラス思考は、こうして育っていきます。

企業内でも同じ話です。

不況のとき、一番元気でいなければいけないのは、社長です。

本当は、売り上げが伸びず、泣きたいところでしょう。

しかし、嘘でもいいので、元気なふりをします。

元気なふりとはいえ、やみくもに景気のいい買い物をしたり、銀座のクラブへ出かけたりする意味ではありません。

いつも歯を見せて笑い、よく動き、元気な様子を見せます。

その元気が、部下たちにも移ります。

元気には、伝染する作用があり、伝染する仕方も特徴があります。

企業内の元気は、上から下へと降りてくるようになっています。

会社の中で社長が一番元気になることで、部長が元気になり、課長も元気になり、部下たちも元気になります。

雪のように元気が、ぱらぱら降ってきます。

不況のときに、社長からの言葉は「今は大変な時期ですが」という暗い話ではありません。

「こんな時期だからこそ頑張りましょう」という元気を見せます。

社員は、社長が空元気だということは、うすうす気づいています。

気づいていますが、やはり元気になります。

大変な時期だけど、社長が空元気の1つでも出して乗り切ろうとする意気込みは、不思議と社員に伝わります。

「社長が頑張っているんだから、自分たちも頑張ろう」

言葉ではなく、気持ちとして伝わります。

社長が、社内で最も笑い、最も行動的になることです。

たったこれだけですが、不況対策への効果があります。

大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。

大変なことですが、大事な社長業の1つなのです。

不況を乗り切る経営者の心得(20)
  • 嘘でもいいから元気なふりをする。
頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。

不況を乗り切る経営者の30の心得

  1. 大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
  2. 経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
  3. 過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
  4. 不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
  5. 給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
  6. 「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
  7. 不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
  8. 楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
  9. 時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
  10. 手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
  11. 「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。
    変化するものが生き残るのだ」
  12. もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
  13. コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
  14. 社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
  15. いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。
  16. 不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。
  17. 不況のときこそ、海外旅行へ行け!
  18. 「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
  19. 不況の突破口は、お客さまからのクレームだった。
  20. 大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
  21. 頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
  22. 現金をもらって、嬉しくない人はいない。
  23. 「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
  24. お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
  25. 無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
  26. 本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
  27. 調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
  28. 希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
  29. いきなり人を切らない。
    「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
  30. 不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。

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