執筆者:水口貴博

記憶力を高める30の方法

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勉強ができる人のノートほど、字が汚い。

勉強ができる人のノートほど、字が汚い。 | 記憶力を高める30の方法

私が学生時代、勉強ができる小笠原さんという友人がいました。

勉強ができると聞けば、ノートはきれいに書かれているのかと連想します。

しかし、実際、小笠原さんのノートの字は、驚くほど汚いものでした。

字は汚いし、図やグラフもめちゃくちゃです。

ノートを借りても、字が読めないので「これなんて読むの?」と聞いたくらいです。

しかし、その人に限らず、勉強ができる人に限って、なぜかノートの字が汚いという共通点があります。

勉強ができない人ほど、清書書きのようにきれいな字で書かれ、図やグラフも定規を使って丁寧に書かれています。

なぜノートが汚いのか、しばらく考えました。

すると「消しゴムを使っていないから」ということがわかりました。

字は汚いし、図やグラフの乱暴さもさることながら、最も汚く見えてしまう原因は消しゴムを使っていないからでした。

字を間違えたところは消しゴムを使わず、横線を引いていました。

ノートに書かれた手書きの図表も、定規を使わず、そのまま手で引いた線なので、線が曲がっていて汚く見えました。

落書きのように、汚い字で書かれたノートでした。

しかし、覚えやすいノートに仕上げるならば、汚い字で書いたノートのほうが、よく覚えられます。

汚い字ほど、ノートを復習したときに、書いたときの感情を再現できるからです。

人間は、喜怒哀楽を伴ったときに、記憶力が増します。

過去の思い出でも、楽しいことやつらいことなど、感情に大きく変化があった出来事をよく覚えています。

字を間違えたり、計算を間違えたりしたところは「しまった! 間違った! 大変だ!」と悔しい気持ちになります。

字を間違えたり、計算でミスしたりしても、消しゴムを使わず横線を引き、間違った内容を後から確認できるようにしておきます。

後から復習したときに、間違えたときの悔しい感情を再現でき、同じ間違いを繰り返さないように強く記憶に刻み込まれます。

もし、間違えた字を消しゴムで消してしまうと、間違えた経緯が見えないので、そのときに感じた感情も再現できなくなります。

だからきれいすぎるノートは、勉強に不適切です。

勉強ができる人ほど、消しゴムは使いません。

だからノートが汚いのです。

記憶力を高める方法(19)
  • ノートは、消しゴムを使わないようにする。
記憶力を高めるために、ノートはとらず、復習範囲を絞る。

記憶力を高める30の方法

  1. 「勉強」そのものより「勉強法」から、身につける。
  2. そもそも脳は、覚えるより、忘れるほうが圧倒的に得意。
  3. 長期記憶のためには、海馬を騙せばいい。
  4. 復習は、1カ月以内にすること。
  5. 復習タイミングは、1週間後が最適。
  6. 一芸は道に通ずる。
  7. 記憶力は、最初と最後が最も高い。
  8. 隙間時間に覚えるほうが、よく覚えられる。
  9. 覚えれば覚えるほど、覚えやすくなる。
  10. 睡眠時間は、最低でも6時間以上。
  11. 人に説明したことは、忘れなくなる。
  12. 記憶は「一度で完璧」ではなく「復習」で身につける。
  13. 百聞は一見にしかず。
  14. 体験するのが、一番覚えやすく、忘れにくい。
  15. 記憶力は「トライ&エラー」の数に比例する。
  16. 由来や理由がわかると、記憶に強く残る。
  17. 喜怒哀楽が伴ったことは、強く記憶に残る。
  18. 好きなことは、すぐ覚えられる。
  19. 勉強ができる人のノートほど、字が汚い。
  20. 記憶力を高めるために、ノートはとらず、復習範囲を絞る。
  21. 他人を蹴落とす人は、自分が蹴落とされる。
    他人の幸せを喜ぶ人は、自分が幸せになれる。
  22. 覚えようと意識しないと、覚えられない。
  23. 耳の記憶は、目の記憶より強い。
  24. 類義語・対義語・関連用語は、覚えやすい。
  25. 記憶力は、朝食後に高まる。
  26. 勉強とは「頑張るもの」ではなく「楽しむもの」。
  27. 成績がいい人ほど、魚が好きな人が多い。
  28. ガムを噛むと、眠気が吹き飛ぶ。
  29. 寝る前に覚えたことは、記憶に残りやすい。
  30. 他人が引いた下線より、自分で引いた下線のほうが、記憶に残りやすい。

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