執筆者:水口貴博

ストレスをためる人とためない人の30の違い

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質より、量をこなせば、ストレスがなくなる。

質より、量をこなせば、ストレスがなくなる。 | ストレスをためる人とためない人の30の違い

私が中学生3年のときの担任は、岡田先生という男の先生でした。

普段はとても優しいのですが、怒ったときにはとても怖くなる先生です。

その岡田先生が考え出した学級全体のルールの1つに「当番」というものがありました。

男女がペアになり、日替わりで今日の当番をします。

黒板を消したり、掃除をしたり、朝の挨拶、終わりの挨拶を一括でまとめる役です。

日替わりの学級委員に近い形式です。

そんな当番で最もみんなが嫌がることが、1つありました。

スピーチです。

学校の6時間目が終わり、終わりの挨拶をする際、みんなの前でスピーチをしなければならないというルールがありました。

内容は何でもいいのですが、最低1分間は、必ず話し続けなければならないというルールがありました。

私はこれがはじめ、嫌でたまらなかったのです。

私だけでなく、みんな、それを嫌がっていました。

シーンと静まり返った教室の中、みんなの前でのスピーチは、まさに緊張一色です。

初めは、手足が震えていた経験を覚えています。

スピーチ時間は最低1分とはいえ、慣れていないうちは、この1分すら長く感じるものです。

当番の関係から、約2週間に1回、みんなの前でスピーチという機会が与えられます。

当番で、順番どおりに回ってきます。

これを3カ月ほど繰り返していくころから変化が見られ始めました。

緊張が、だんだんなくなったのです。

初めは手足が震えたスピーチも、3カ月を過ぎれば慣れてきて、半年を過ぎれば緊張が感じられなくなるのです。

何度もスピーチを経験することで、慣れができてくるからです。

1年経つころには、どうすれば緊張できるのか、考えてしまうほどでした。

岡田先生は「大切なことは慣れることなんだ」と私たちに教えてくれていたのです。

「自分には無理だ」と思っていた、手に汗握るスピーチがそうであるように、数をこなせば、緊張もストレスさえも減っていきます。

質の問題ではなく、量の問題です。

たくさんの数をこなして、量を経験すれば、緊張がなくなり、ストレスもなくなります。

岡田先生は、中学3年の私たちに、大切な世渡り術を体感させてくれていたのでしょう。

それは教えてわかることではなく、考えてわかることでもありません。

実際に自分たちがそういう経験をして、体感することで理解してほしかったのだと思います。

わざわざ私たちに、スピーチの機会を定期的に与えてくれていたのでしょう。

私は今でも、みんなの前で話をするのが得意ですが、その発端は、中学3年のころに経験した、大量のスピーチに由来しています。

当時の経験をきっかけに、慣れてしまいました。

スピーチに緊張する人を見ると、必ずその人は、経験が少ないことが共通しています。

「いかにうまく話そうか」とばかり、考えています。

スピーチでは質より、量がポイントなのです。

「いかにうまく話そうか」と考えるより、下手でもいいからたくさんの経験をこなします。

すると、慣れのおかげで、余裕が出てきて、結果としてうまさにつながります。

ストレスは、量の問題や回数の問題をはじめとする、慣れの問題なのです。

ストレスをためる人とためない人の違い(28)
  • 経験を増やして、慣れてしまう。
競争に熱くなっても、自分のペースを崩すことだけはしないこと。

ストレスをためる人とためない人の30の違い

  1. ストレスの本当の解決は、短期ではなく、長期で考えること!
  2. ストレスのほとんどは「肉体的」より「精神的」である。
  3. 心の運転は、車の運転と同じ。
    事故を起こす原因は、運転にある。
  4. ストレスをためている人は、弱いものをいじめようとする。
    ストレスをためない人は、弱いものを助けようとする。
  5. 短期的に考えていると、短気になる。
  6. 今日を懸命に生きる人は、賢く生きることができる。
  7. お金で動くと、ストレスが増える。
    喜びで動くと、ストレスがなくなる。
  8. 素直、正直が一番疲れない。
  9. 相手と話す前に、まず自分と話をしよう。
  10. ストレスをためる人は、受け止める。
    ストレスをためない人は、バネにする。
  11. ストレスをためる人は「後回し」にする。
    ストレスをためない人は「今すぐ」に行う。
  12. 考えてもわからないことは、すぐ答えを聞いてもいい。
  13. タバコは、いらいらを減らすどころか、増やしてしまう。
  14. マイナスの感情は、開き直ることで克服できる。
  15. 喧嘩をした相手とは、できるだけ早く仲直りすること。
  16. ストレスをためる人は、仕事をするために休まない。
    ストレスをためない人は、仕事をするために休む。
  17. ストレスをためる人は、我慢で乗り切ろうとする。
    ストレスをためない人は、協力で乗り切ろうとする。
  18. 生活のリズムが一定だから、ストレスも小さくなる。
  19. おしゃべりな人は、ストレスをためにくい。
  20. ルールを先に考えすぎると、挫折する。
    しながらルールを覚えると、楽しくなる。
  21. 楽しさや面白さは、自分から積極的に見つけていく。
  22. もつれた糸をほどくために、いったん休憩を入れる。
  23. 海外旅行で、自分をリセット。
  24. 流れが悪くなったとき、ストレスを感じ始める。
  25. ストレスの多い人は「完全」を求める。
    ストレスの少ない人は「適当」を求める。
  26. ごちゃごちゃした部屋は、心もごちゃごちゃになる。
    すっきりした部屋は、心もすっきりする。
  27. 負けるとわかっている戦いには「逃げる」という選択が最適。
  28. 質より、量をこなせば、ストレスがなくなる。
  29. 競争に熱くなっても、自分のペースを崩すことだけはしないこと。
  30. 「調子に乗るな」を信じてはいけない。

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